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「ドゥーブル」山下浩二が語る“これからの美容室の在り方”

 1994年にオープンしたヘアサロン「ハーツ(HEARTS)」は原宿店を6月にを閉め、姉妹店の「ドゥーブル(DOUBLE」と統合した。それに伴い、7月11日に、東京・青山の骨董通りに新店「ドゥーブル ソンズ(DOUBLE SONS)」をオープン。今回、長年ヘアサロン業界で活躍してきた山下浩二「ドゥーブル」代表にこれからの美容室の在り方を聞いた。

WWD:山下代表が考える“これからの美容室”とは?

山下浩二「ドゥーブル」代表(以下、山下):「ドゥーブル」には僕らが打ち出すヘアデザインを気に入ってくれたお客さまが来てくれています。最近だと集客サイトを使って「誰でも来てください」というサロンは多いが、それだと個性も出ないし、僕らの目指すところではない。集客サイトを使って派手なことをやっていると注目されて一時期はお客さまも増えるが、それをずっと続けていくのは大変だし、本当に来てほしい層のお客さまが離れていってしまいます。僕は24年の経験からそう実感しています。やはり上質なものに価値を感じてもらえる人に来てほしいと思っているので。

WWD:ヘアサロンにとって集客サイトは今やなくてはならないものになっているが?

山下:時代と逆行しているようですが僕は今、集客サイトは使っていません。それでもお客さまは着実に増えています。目指すのは「大切な人に紹介したくなるサロン」。チェーンの回転ずし店みたいなサロンにはしたくないですね。ヘア業界ではヘアカラーがブームとなっていますが、「ドゥーブル」はそのブームには乗らずカットとパーマを組み合わせた独自のヘアスタイルを提案していて、業界ではパーマ比率は下がっていますが、サロンでは上がっています。そうしたスタイルの部分でも他サロンとの差別化はできています。これからの時代、美容室も美容師も個性が大切になってくると思うので、他のサロンがやっていない方向へシフトしていくつもりです。

WWD:6月にこれまで原宿にあったヘアサロン「ハーツ」を閉めたが、その理由は?

山下:最近は全国に「ハーツ」という同名のサロンが増えてきたことが理由の一つです。あと、「ハーツ」は原宿を中心にやってきましたが、以前とは街の雰囲気も変わってきています。今は多くのサロンが若い人に向けてアプローチしていますが、これからはもっと大人のお客さまに向けたサロンの方がいいと感じていて、それであればブランドの雰囲気も「ドゥーブル」の方が合っているので、ブランドとしても「ドゥーブル」に一本化した方がいいと考えました。

WWD:新店「ドゥーブル ソンズ」はどういったコンセプトなのか?

山下:基本的なコンセプトは「ドゥーブル」と変わりませんが、内装はパリのコンコルド駅をイメージしています。僕は新店の方に勤務しますが、サロン内には元ヘアサロン「フェイズ(PHASE)」の横手康浩さんのアトリエもあります。横手さんが「フェイズ」を閉めると聞いて、「それなら一緒にアトリエでもやりませんか?」と誘いました。もともとヘアサロン「ズッソ(ZUSSO)」で一緒に働いていたし、その頃からすごく尊敬する先輩でした。6月から一緒に働いていますが、僕にとっても勉強になることは多いし、スタッフにも貴重な経験になっています。

WWD:今後、さらに店舗を増やすことは計画しているか?

山下:店舗が増えることで、スタッフの個性が薄くなってしまうのは嫌なので、無理に店舗数を増やしていくことは考えていません。