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クリエイターに人気 噂のヘアサロン「ウェアー」の魅力

 東京・代官山と中目黒の中間にあるヘアサロン「ウェアー(WHERE)」は、駅からは遠く分かりにくい場所にもかかわらず、全国からお客が訪れる。加えて、水曜日のカンパネラのコムアイやモデルのラブリ、比留川游の他、スタイリスト、ヘアメイクといった多くのクリエイターを顧客に持つ。必ずしもいい立地といえない場所にある「ウェアー」になぜわざわざ通うのか。その人気に迫る。

WWD:「ウェアー」をオープンしたのはいつ?

川畑篤宜「ウェアー」代表(以下、川畑):2014年です。最初は1人でスタートし、今は僕も含めてスタッフ4人で、スタイリスト2人とアシスタント2人です。

WWD:サロンがなかなか分かりづらい場所にあるが、それは意図してなのか?

川畑:そうですね。場所は青山でも原宿でもどこでもよかったんですが、探していた中ではここが一番駅から遠くて、逆にそれがいいなと思いこの場所に決めました。ここは代官山駅からでも中目黒駅からでも遠くて、お店のことを知らない人は来ないんですよ。だから、わざわざ行く場所というか、本当に僕にカットしてほしい人が来てくれればいいなと思っています。通ってくれるお客さまはちょっと大変かもしれませんが(笑)。

WWD:サロン名の「ウェアー」はどういう理由でつけた?

川畑:いろいろ考えたんですけど、何か曖昧な言葉がいいなと思い「ウェアー」にしました。英語の意味的にも場所が分かりづらいうちのサロンにも合っているし。

WWD:「ウェアー」はコムアイさんやラブリさんの他、ヘアメイクやスタイリストといったクリエイターにも人気だがその理由は?

川畑:作るヘアスタイルが他の美容室と比べて特別におしゃれだとかではなく、“いい感じ”くらいを狙っています。スタイリングもそんなにしっかりとしないし、その人に似合っていればいい。“いい髪型”をというよりも、“いい世界観”が作れればいいなと思っています。決まったヘアスタイルを提案しない分、「この人にはこの世界観で」といったように、その人個人に対するアプローチは得意なので、その世界観が気に入ってくれて来てくれているんだと思います。紹介で来てくれる人も多いです。

WWD:川畑さんのインスタグラムを見るとブルーやピンク、グリーンといったビビッドなヘアカラーが特徴的だが?

川畑:この店の前は原宿で美容師をやっていたんですけど、その時は今よりもっと作るヘアは派手でした。その流れで今でもビビッドなヘアカラーをするお客さまは多いです。だからといって難しいカラーをするわけでなく、基本はシンプルで、何色もカラー剤を混ぜたりはしません。インスタグラムもヘアをしっかりと見せるというよりはもう少しゆるい感じでやっています。

WWD:インスタグラムを見て新規で来る人は多い?

川畑:ありがたいことに全国から来てくれます。ただ「インスタグラムで見たヘアにしたい」という人もいるんですけど、それがその人に似合うかどうかは分からない。“髪型”だけだと帽子みたいに見えてしまうんです。だから、その人の雰囲気にどうなじませるかは大切にしています。

カットは感覚的に、休みは不定休

WWD:カットする時に大切にしていることは?

川畑:毎回、上手に切りたいっていう思いでやっています。ただ、若い時に練習した型にはまったカット方法をどれだけ捨ててやれるかは意識していて、できるだけ感覚で切るようにしています。うまく切れるか、いつも恐怖心はありますが、 “髪型”で切るとどこか固くなってしまう––それが嫌なんですよね。

WWD:ヘアのトレンドは意識する?

川畑:このヘアスタイルが流行っているとか、このカラーが人気とかはまったく意識しないです。でも僕やお客さまの“気分”はすごく大事にしていて、時代性みたいなものは自然と感じているかもしれないです。

WWD:定休日がなく、“イレギュラーホリデー”となっているが?

川畑:特に何曜日とかは決めていないです。ただ僕の場合は髪の毛を切っている時が一番テンションが上がるので、休むよりは働いている方が楽しいんですよね。休みたくなったら休みという感じでやっています。もちろん他のスタッフは週1~2日で休みを取ってもらっています。

WWD:社内レッスンはどうしている?

川畑:特に決まっていなくて、聞かれたら教えますけど。ウイッグではなく、なるべく実際にモデルさんにお願いしてレッスンはやらせます。作るヘアよりも、その人に似合うことを一生懸命考えてやっているかどうかが大切だと思っています。どんなヘアがいいか、特に正解はないと思っているので、できたヘアスタイルに関して僕から意見を言うことはほとんどないですね。聞かれたらもちろんアドバイスしますけど。なるべく型にはまらず自由にやってくれた方がいいですね。

WWD:将来の目標は?

川畑:うーん……ないです(笑)。別にお店を大きくしたいとか何店舗もやりたいとかっていうタイプではないし。今は本当に、お客さまのヘアを少しでもうまくできたらいいなという思いしかないです。

■ヘアサロン「ウェアー(WHERE)」
住所:東京都目黒区青葉台2-10-12