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分社化で流通高1000億円狙う「ショップリスト」 好調の秘けつは“無理のないプラットフォーム作り”

 ファッションECモール「ショップリスト(SHOPLIST)」を運営するクルーズが5月10日、750ブランド・25万型(130万SKU)を扱う「ショップリスト」を含む全事業を子会社として分社化することを発表した。新体制のもとで「ショップリスト」はどこを目指すのか。新会社CROOZ SHOPLISTを統括する張本貴雄・社長に話を聞いた。

WWD:分社化の狙いとは。

張本貴雄・社長(以下、張本):クルーズは「インターネットの時代を動かす凄い100人を創る」をミッションにグループ経営へ移行した。クルーズが時価総額1兆円企業になるために何が必要かと考えた時に、100億円企業を100個集めればいいという理論だった。

WWD:「ショップリスト」としての目標は?

張本:僕はその10人分、1000億円企業を目指したい。中長期的に流通高1000億円、その過程として数年以内に流通高500億円を目指したい。1000億円という数字は500万のユーザーが年間2万円購入をしてくれるという計算。「ショップリスト」では1年にメガセールを4回やるので、シーズンごとに5000円と考えれば合理的な目標だと思う。実際の購入者数は現在月間160万人だが、すでにサイトを訪れるユニークユーザーは月間500万人を超えている。

WWD:目標に向けた具体的な戦略はあるか。

張本:現状の年間購入単価は1万3369円、平均購入回数が2.71回。既存顧客が年間であと1回多く買い物をしてもらえるような施策が必要だ。とはいえ、無理やり買い物をしてもらいたいとは思わない。何より継続して使ってもらうことが大切で、ほしいものを適切なタイミングで買ってもらうことが重要だ。

WWD:そのために、今年は何に注力するのか。

張本:今年は“SEARCH × FIND × BUY”を掲げたい。すでに25万型もの商品がサイトにあるので、既存ユーザーがほしいものに出合えないことがある。この課題に対してテクノロジーを使っていきたい。例えば手持ちの洋服の写真を撮るとおススメが表示されたり、SKUごとにセール対象を変えたり。サイズに関しても、ジャストフィットではなくてベターフィットを提案できるような計測手法を取り入れたいと考えている。

WWD:新規顧客獲得に向けた施策はあるか。

張本:既存ユーザーはブランドよりも素材やシルエットで商品を選ぶ“ファッション慣れ”した顧客が多いが、新規顧客をひきつけるにはブランド力が必要だと感じている。現在9割近くがEC専売ブランドなので、直近はリアルにも出店しているようなブランドの出店を増やすことでブランド力を強くし、1点でも新規の方にまず買ってもらいたい。今後さらなる在庫確保のために、現在橋本にある4500坪の倉庫から11月には相模原に建設中の1万4000坪の倉庫へと移行を予定している。

WWD:ブランドとのビジネスモデルは?

張本:売り上げに対する固定比率を出店手数料としていただいている。

WWD:出店料が固定というECモールは珍しいように感じるが。

張本:通常ECモールは出店料が固定ではないことも多く、プロモーションごとに費用や人的工数もかかる。当社では出店手数料に配送料やプロモーション費用、その他人的工数など全ての経費を含む形で運営を任せてもらっていることが最大の特徴だろう。ユーザーとブランド、当社の3者がウィンウィンになれる仕組み作りを心がけており、“永続した価値作り”を念頭に、無理のないシステムを作っている。

WWD:こうしたブランドとの関係作りは張本社長ならではの考え方だと思う。

張本:僕は天才ではないので、新しいことは何一つやっていない。「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」のようなECモールとしての“先輩”が成長した要因などもきちんと分析し、当社としてやらなければいけないことに落とし込んでいる。

WWD:ECモールを競合と捉えないのか。

張本:ECモールにおけるマーケットシェアも競合も考えていない。「スーモ(SUUMO)」や中古車検索の「カーセンサーnet」などは非常に参考になるので、こうしたアプリから使いやすさを学ぶことも多い。