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パルHD、EC連動で営業利益14%増 18年2月期

 パルグループホールディングの2018年2月期連結決算は、売上高が前期比5.8%増の1232億円、営業利益が同14.3%増の70億円、経常利益が同15.3%増の69億円だった。だが、不採算店舗の退店に伴う減損損失を計上したほか、2月末に上海の現地法人が小売事業から撤退したため、特別損失20億円を計上。純利益は同18.9%減の24億円で終わった。

 本業の好業績の要因は、生産プラットフォームの構築に取り組み、調達先やロットの集約による価格対応や型数と数量の絞り込みによるベーシック化を進めたこと、SNSを活用したプロモーションで集客数やEC売上高を伸ばしたことが大きい。特にECから実店舗に送客するオムニチャネル戦略が奏功。客数は既存店ベースで同2.9%増え、客単価の減少を補った。EC売上高は同51.9%増の110億円。期初目標の100億円を上回った。ただ、冬のセールが低調に終わり、評価損を計上した結果、粗利益率は同0.3ポイント悪化した。

 部門別では、衣料事業の売上高が同5.2%増の895億円、営業利益が同31.7%増と大幅に収益性が回復。「カスタネ(KASTANE)」「ルイス(LUI′S)」「フーズフーチコ(WHO'S WHO CHICO)」「ミスティック(MYSTIC)」「チャオパニックティピー(CIAOPANIC TYPY)」などのブランドがECとの連動で伸びた。「スリーコインズ(3COINS)」「ラシット(RUSSET)」などの雑貨事業の売上高は同7.7%増の336億円。営業利益は為替レートが円安に推移したことと、暖冬傾向から17年春物を早期投入したものの、低調だったことから同8.6%の減益だった。

 井上英隆・会長は「ファッション業界で低価格化が進んだことにより、消費者のバーゲン離れが顕著になり、粗利益が減った。今後はバーゲンに期待せず、『コロニー2139(COLONY2139)』『チャオパニックティピー』『ディスコート(DISCOAT)』でボリューゾーンを狙い、3ブランド合わせて1000億円ブランドに育てていく。ただし、『ユニクロ(UNIQLO)』と戦う気はまったくない」と語った。 

 今期(19年2月期)は売上高1335億円(前期比8.3%増)、営業利益89億円(同27.7%増)、純利益49億円(同98.1%増)を計画する。EC売上高は21年2月期の目標に掲げていた200億円を上方修正し、22年2月に300億円達成を目指す。MDの見直しによって軌道に乗りつつある「コロニー2139」は秋から出店を加速。今年9月末には、神戸トアロードに100坪の路面店を開業する予定だ。

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