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西武船橋店が50年の歴史に幕 別れを惜しむ人が殺到

 そごう・西武は28日、西武船橋店(千葉県)の営業を終了し、50年の歴史に幕を閉じた。最終日の今日は朝10時の開店前に300人が列を作り、店内は終日にぎわった。閉店セール目的だけでなく、顔なじみの販売員と別れの挨拶をしたり、記念撮影したりする姿があちこちで見られた。夜8時の閉店時には、セレモニーは行われないとアナウンスされていたにも関わらず、最後を見届けようと多くの人が殺到。大勢の人がシャッターが下りる瞬間をカメラに収めていた。

 最終日の今日は昨年の同日に比べて5倍の約7万人が来店し、売上高も4倍に跳ね上がった。50%オフなどの特価で販売していたマフラーやスカーフなどの婦人雑貨、婦人靴、紳士のシャツやネクタイの売り場は、特に黒山の人だかりになり、レジには長い行列ができていた。

 船橋市在住の女性は西武船橋店と同じ年齢で「人生はこの店と共にあった」という。「子供のころから家族で西武に行くのが楽しみだった。社会人になって都内で働くようになっても、有楽町や渋谷の西武がお気に入り。西武にはおしゃれなイメージがある。地元からなくなるのはショック」とさみしそうに話した。鎌ヶ谷市から来た50代の女性も「船橋駅で乗り換えるので、子供のころからよく通っていた」と振り返る。「社会人になって初任給で高いブランドの服を買った。初めて作ったクレジットカードがセゾンカード。大人の仲間入りができてすごくうれしかったのを覚えている。北口の東武(百貨店)が庶民的なのに対し、西武はあか抜けていた」。

 入口で看板をバックに記念撮影していた60代の男性は同店のOB。「昭和53(1978)年に西武百貨店(当時)に入社し、初めて配属されたのが船橋店だった。大規模改装したときで、周辺の団地に売り込みをかけたら、驚くほど多くのお客さまが来て下さった。いま振り返れば良い時代だった」と感慨深げに話した。

 西武船橋店は、船橋市が東京のベッドタウンとして急速に人口を増やしていた1967年に開業。ピーク時の92年2月期には売上高551億円を誇っていたが、2017年2月期には169億円と7割も落ち込んでいた。近年は営業赤字が続いており、業績不振から構造改革を進めるそごう・西武は閉鎖を決めた。そごう・西武は同じく28日、西武小田原店(神奈川県)も営業を終了した。

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