ファッション

「カルティエ」が女性企業家を支援するフォーラムを開催

 「カルティエ(CARTIER)」は3月15日、日経ホールで女性起業家を支援する国際ビジネスコンペティション「カルティエ ウーマンズ イニシアチブ アワード(CARTIER WOMEN'S INITIATIVE AWARD、以下CWIA)」のフォーラム、「ウーマンズ・イニシアチブ・フォーラム(WOMEN'S INITIATIVE FORUM)」を開催した。日本で5回目になるフォーラムには、2015年CIWAアジア太平洋地区の受賞者、モモ・ホァン=アワ・シティ・ラブ・ソーシャル・エンタープライズ(OUR CITY LOVE SOCIAL ENTERPRISE)共同創設者、鮫島弘子アンドゥアメット(ANDU AMET)社長、ポール・マクナーニ(Paul McInerney)=マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパン ディレクター、石倉洋子・一橋大学名誉教授が登壇した。

 台湾出身のホァン共同創設者は24歳の若手で、13年に起業。障害者や高齢者、妊婦のための役立つ情報を提供するアプリ「フレンドリーシティ クラウド システム(Friendly-City Cloud System)」を開発。町中のレストランや施設に声掛けし、優先席や障害者トイレの設置など、ユーザーフレンドリーな環境やサービスをつくることを提案している。アプリではそういったサービスを提供している施設の情報を入手することができる。起業のきっかけは大学時代、障害者をサポートするボランティアに参加したことだった。「それまで私は全く彼らの世界が私たちといかに異なるもので、不便なのか気付かなかった。車いすに座ったら、段差のあるレストランには入れない。狭いトイレも使えない。また、どのレストランや施設を使えるのか分からない。少し視線を変えただけで、今まで気付かなかったことがたくさんあった」。また、CIWAを受賞したことにより経済的なサポートだけでなく、今まで受賞した女性とのネットワークに入ることができたことが大きいと語った。

 一方、鮫島社長はデザイナーとして活躍していたものの、ファストファッションマーケットが加速する現代、自身が作った商品がすぐ消費され、捨てられることに疑問を抱いたのが起業のきっかけだという。彼女は現在、エチオピアでエチオピア産の高品質な革を使用したバッグブランド「アンドゥアメット」を手掛けている。自身のデザインスキルと日本の技術を現地の人に教え、全ての商品をエチオピアで生産している。「シャイな日本人女性にとって、起業とは大きなチャレンジに思えるかもしれない。しかし、ちょっとしたひらめきや日常の中で感じることがそのきっかけになりうる。日本の女性にも自身を信じ、恐れずに挑戦してほしい」と語った。

 マクナーニ=ディレクターは2人のプロジェクトの成功要因について、明確なターゲットと深いニーズがあることと、揺らぎない情熱をもっていることだと分析した。また、掲げたゴールに向かって、壁にぶつかっても続けることの大切さを強調した。カルロ・ガリリオ(Carlo Gariglio)=リシュモン ジャパン カルティエ プレジデント兼最高経営責任者は「CIWAを受賞するのは年齢や国籍は関係ない。柔軟な考えと想像力を持っていれば誰でも起業は可能だ」とコメントした。

 CWIAは06年にスタートし、世界中の女性起業家をサポートしてきた。立ち上げ段階にあるプロジェクトの主導者で、新規のアイデアによる営業目的のものを条件とし、約1000人の女性が応募する。プレゼンテーションやワークショップに参加し、選考プロセスを勝ち抜いた計6人の受賞者は「カルティエ」が特別に作った"CIWAトロフィー"と2万ドル(約266万円)の支援金、「カルティエ」、マッキンゼー・アンド・カンパニー、欧州経営大学院から1年間のコーチングを獲得する。

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