「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は4月1日、2026-27年秋冬コレクションを上海郊外にあるコンテナ埠頭を会場に、同ブランド初の巡回ランウエイショーを発表した。最新の“アーティザナル”コレクションとユニセックスの“Co-Ed コレクションを融合させた本コレクションは、両部門が共同で取り組んだプロジェクトとしては数年ぶりとなる。開催地の中国・上海の貿易の歴史を反映しながら、型破りな会場選びで業界の予想を覆すことを目指した。
コレクションを中国へ持ち込むこと自体が1つの冒険で、蜜蝋の仮面や磁器のパーツなど、素材の出所が曖昧なピースが税関で多少の混乱を招いたものの、70点余りのルックは無事に上海に到着した。
マルタン・マルジェラの理念を受け継ぐマーティンス
“アーティザナル”コレクションの出発点はレース編みのマスクを蜜蝋でコーティングし、ひび割れたような質感に仕上げた点だ。クリエイティブ・ディテレクターのグレン・マーティンス(Glenn Martens)は「蜜蝋を使った加工にすごくハマっているんだ。ポエティックだよね」とコメントし、この手法に熱心に取り組んでいるようだ。マスクは、同じく蜜蝋でコーティングされたヴィクトリア朝時代の喪服と組み合わされたたが、この手法は、古代中国の戦国時代に蜜蝋が接着剤として使われていたという歴史的な背景をさりげなく示唆している。
「マルタン・マルジェラ(Martin Margiela)の原点は、古着屋だった。プラスチックバッグをラグジュアリーなアイテムへと昇華させたのは、まさに彼でした。重要なのは、物事をどう捉え、その認識をどう変えるかということだ」とマーティンスは言う。見つけてきたオブジェや、職人技とプレタポルテを融合させることでラグジュアリーの概念を再定義したことが、マルジェラの成功のカギであり、それはマーティンスがメゾンでクリエイティブ・ディレクターを担う上での理念にもなっている。
「メゾン マルジェラを擁するレンツォ・ロッソ OTB グループ創業者兼会長は、「私たちは中国市場と共にこのブランドを祝いたい。現在の中国市場は少々厳しい状況だが、我々にとって唯一の道は、中国の人々との相乗効果を生み出すこと。共に歩まなければならないし、中国の人々に『マルジェラ』を身近なブランドとして認識してもらいたい」と、ショー終了後、米「WWD」に語った。「メゾン マルジェラ」の 2025 年の売上高は 8.4%増加し、同グループのブランドの中で最も大きな成長を記録した。