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ゴールドウイン、販売員に「バカンス休暇」 最大14連休を年2回取得可能

ゴールドウインは、販売職(正社員)が長い休みが取れる「バカンス休暇」の拡充に取り組んでいる。制度自体は2019年度に導入した。今年4月から休暇日数を増やし、他の休暇と合わせれば最大で14連休を年2回取得することが可能になった。長い休みが取りにくい販売職に向けて、モチベーションの引き上げと人材の定着を図る。

バカンス休暇は心身のリフレッシュや自己啓発を目的に19年度に導入された。当初は連続で7日間以上の休暇が取れる制度だったが、その後、バカンス休暇(5日)、個別休暇(年間休暇)、年次有給休暇を合わせれば連続2週間(14日間)の長期休暇が取れるよう改定した。

さらに今年25年度からは全社的なワーク・ライフ・バランス向上の一環で、年間の休暇を120日から125日に変更。この際に販売職に関しては、バカンス休暇を10日から15日に増やした。例えば15日間の休暇を7日間と8日間の休みに分けて、その他の個別休暇(月9日間取得可能)と組み合わせることで、最大の14日間の連休を年2回取得することができる。

こうした長期休暇の制度は活用されなければ意味がない。当初は「同僚に迷惑をかけたくない」などの理由で、同社の販売職へのアンケートでは58%が「(長期休暇に)罪悪感がある」と答えていた。だが店舗の人材のフォローをしっかりできる体制を作り上げることで、制度は販売職に浸透していった。24年度のバカンス休暇の取得率は98.7%に達する。

同社は主力ブランド「ザ・ノース・フェイス(TNF)」など国内160店舗で約1000人が働く。扱う商品の特性上、登山、スキー、キャンプなどを趣味にするスタッフが多いため、バカンス休暇を国内外でのアウトドア活動に活用する例が目立つ。もちろん旅行をしても、自宅でのんびりしても、使い方は自由だ。

「TNF」屋久島店(鹿児島県)の濱田真子店長は、今年7月に14日間を使い、北海道の雌阿寒岳、大雪山、斜里岳などで登山を楽しんだ。「店長としてスタッフのバカンス休暇のスケジュールを管理しているが、年度の始めに取得したい日程を決めるので、互いに安心感があり、気持ちよく休暇を取得できる」と話す。

長い休暇だからこそ可能なさまざまな体験や見聞は、接客の仕事にも生かされる。そうした販売職による顧客とのコミュニケーションは、ブランド価値の向上にもつながると同社では考える。

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