三井不動産が運営する「ららぽーとTOKYO-BAY」は、2023年1月から建て替えを進めてきた北館1期エリアを10月31日にオープンする。29日にメディアと一部の招待客に公開した。北館は2つのエリアを順次建て替えており、先にオープンするのは「ビビット南船橋」から名称変更した「ららぽーと TOKYO-BAY North Gate」の向かいに位置する東側。グルメやファッションを中心に、関東初出店3店舗、千葉県初出店26店舗を含む全96店舗が並ぶ。
“体験価値”を高める話題のフードが充実
新たにオープンする北館エリアの目玉は、3階に設けた大型のフードゾーン。フードコートとレストランエリアを併設し、関地方の行列店やミシュラン店の派生業態や体験型のエンタメ性のあるレストランなど、フードコート20店舗とレストラン18店舗の計38店舗が集まる。これにより「ららぽーと TOKYO-BAY」全体にある飲食店の席数が約2500席になり、店舗数、席数ともに日本最大級の規模になる。
フードゾーンの注目は、ラーメン店「博多一双」による「ハカタ ラーメン イッソウ ノッシ(Hakata Ramen Issou nossi)」や、牛タン専門店「利久」の新業態「焼肉利久」といった新業態。また、店内の生簀で釣った魚を味わえる体験型レストラン「釣船茶屋ざうお」、ミシュランを獲得した香港点心専門店「ティム・ホー・ワン(Tim Ho Wan)」など、幅広い層の体験価値を高める多彩な店舗がそろう。1階には、「RHC ロンハーマン(RHC Ron Herman)」が「RHCカフェ(RHC CAFE)」併設で千葉初登場。店外には小規模ながらスケートパークも備える。
プレオープン初日には、「ゴディバクレープ(GODIVA CREPE)」やハンバーグの「極味や」、北九州発「資さんうどん」などに長蛇の列ができた。
ファッション店舗には、「H&M」や「ジーユー(GU)」といった低価格ブランドに加え、「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」や「ナイキ(NIKE)」「ラコステ(LACOSTE)」「リーバイス(LEVI’S)」などのインポートブランドも大型店を構える。また、ワールドの「ギャレスト(GALLEST)」やパルの「ラウンジドレス(LOUNGEDRESS)」、マッシュスタイルラボの「エミ(EMMI)」といった国内ブランドに加え、フランスのスポーツブランド「サロモン」がららぽーと初出店となる。
スポーツとエンタメの融合で若年層を開拓
1981年に1号店として開業した「ららぽーとTOKYO-BAY」は、南船橋エリアの街づくりとともに成長し、これまでに19回のリニューアルを実施。今回は昨年開業した多目的アリーナ「ららアリーナ TOKYO-BAY」との施設連携を強化し、スポーツとエンターテインメントの相乗効果を狙う。すでにライブ鑑賞やスポーツ観戦後の来場者の約4割が「ららぽーとTOKYO-BAY」を利用しており、両館を結ぶ連絡橋も新設された。
今後、北館西側エリアには屋内型スタジアムコートを備えた中央広場を設置する。「ハーバー通り」も従来の2倍の広さに拡張される予定だ。これにより店舗数は約600店となり、年間来場者数3000万人、売上高1100億円を目指す。実現すれば、同じく三井不動産が運営するラゾーナ川崎プラザなどを抜いてショッピングセンター業態(アウトレットモールを除く)としては日本一の売上高になる。
今回のリニューアルでは引き続きファミリー層を軸に据えつつ、若年層へのアプローチを強化。SNSを活用した施策に加え、「ららアリーナ TOKYO-BAY」との連携によるアーティストやスポーツチームの関連ショップの設置など、新たな客層の獲得を狙う。