フィンランド発家具「アルテック(ARTEK)」は今年、創業90周年を迎えた。周年を記念し、創業日の10月15日、同じくフィンランド発「マリメッコ(MARIMEKKO)」]と協業した家具を発売した。2つのブランドがコラボするのは初めてのこと。「マリメッコ」のアイコニックなプリントパターンであるセイレーニ、キヴェット、ロッキを「アルテック」による木工技術で表現したテーブル、スツール、ベンチが登場した(柄の展開はアイテムにより異なる)。価格は、スツールが5万3900円、ベンチが11万5500円、テーブルが12万1000円。12月末日まで、「アルテック」の表参道店や公式ECで販売及び受注する。
デザイン・アート・建築を融合したコラボ
「アルテック」と「マリメッコ」は15日、「ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)」(以下、ドーバー)」で、コラボ家具の発表イベントを開催した。同イベントのために来日したレベッカ・ベイ「マリメッコ」クリエイティブ・ディレクターは、「このコラボの完成には、3年かかった。試行錯誤を重ねて、アイコニックなプリント柄を木のインターシャで表現。木目の経年変化を楽しめる家具に仕上がった」とコメント。ベイは、「コス(COS)」や「ユニクロ(UNIQLO)」など世界のSPA企業の要職を歴任した人物だ。彼女は、「『アルテック』の創業者の一人であるアルヴァ・アアルト(Alva Aalto)が大好き。デザイン、アート、建築といった2つのブランドの交差点を凝縮したコラボで夢が叶った」と語った。「アルテック」のアーカイブには、1970年代に「マリメッコ」の創業者であるアルミ・ラティア(Armi Ratia)が1970年代、「アルテック」のアアルトに宛てた手紙が残っているという。初のコラボだが、創業者同士は交流しており、時代を超えたコラボが実現した。
「アルテック」と「コム デ ギャルソン」との共通点とは
「アルテック」と「ドーバー」のつながりは2007年に遡る。「アルテック」による古い家具を買取り再利用するプロジェクト”セカンドサイクル”の展示をロンドン店で開催。その後、「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」青山店で展示を行った。斬新かつ革新的なファッションを提案するのが同ブランドや「ドーバー」であるとしたら、インテリア業界で同様の活動をしているのが「アルテック」。その考えに基づき、「ドーバー」では、「アルテック」のアイコニックな“スツール60"誕生の節目である13年、23年にインスタレーションを行ってきた。今回も11月3日まで、1階、3階、4階でインスタレーションを行い、コラボ家具の展示販売を行う。