ファッション

ドーバー ギンザが3年ぶりに“ファミリー大集合”のイベント開催 「コロナ禍でも自分たちの価値観は変わらない」とジョフィCEO

 「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」の川久保玲がディレクションするセレクトショップ、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(以下、ドーバー)は10月29日にオープン10周年を記念したイベントを開催しました。同店ではラグジュアリーブランドから新進気鋭のデザイナーズまで約300ブランドを扱っているといいますが、そのうちの国内外約35組のデザイナーやアーティストらが来場。限定品の販売のほか、トークショーやワークショップ、ライブパフォーマンスなど1日を通して多数のコンテンツが用意され、会場はオープンから多くの人で賑わいました。コロナ禍前にも同様のイベントを行なっていましたが、今回は3年ぶりの開催。改めて、人が集まり、やり取りが生まれることの価値を感じた当日の模様をレポートします。

 エイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)コム デ ギャルソン インターナショナルCEO兼ドーバー ストリート マーケットCEOは、イベント開催の目的について「10年という節目にお客さまにお礼をしたいと思った。ECで買い物をするようになっても変わらず大切にしたいのは、人と人との直接のつながりだ。コロナ禍でも自分たちの価値観は変わらない。規模にかかわらずさまざまなブランドが交流し“美しいカオス”が提供できるのがドーバーストリートマーケットだ。コロナによってあらゆる垣根がなくなり、インクルーシブになったのは良い変化だと捉えている。デザイナーも店頭スタッフもオープンな関係で、大家族のようなコミュニティーを築いてきたことが、ここを特別な場所にしてくれている」と語ります。今後については、来年パリに7店舗目の出店を計画していることについても触れました。

 さまざまなコンテンツのなかでも出店するブランドが参加した、10周年カスタマイズTシャツは大反響でした。川久保玲デザイナーがデザインしたボディに、各ブランドがそれぞれのエッセンを加えた特別な仕様になっており、販売スペースにはオープン時から長蛇の列ができていました。価格は2〜22万円。最高額の「クロムハーツ(CHROME HEARTS)」も即完売していました。ジョフィCEOも「ブランドと私たちの関係性をよく表現できた試みで、感動している」と言います。


【参加していた主なデザイナーやアーティスト、ブランドはこちら】

「ダブレット」

 「ダブレット(DOUBLET)」は、常設の売り場をアニバーサリー仕様にデコレーションしました。井野将之デザイナーは、「ドーバーのチームは、常に気にかけてくれていて家族のよう。同じゴールに向かって、お客さんたちを一緒に楽しませようと取り組んでくれる。ここに入ってから海外からも連絡が来るようになり、ブランドを育ててもらった大事な場所だ」とコメントしました。

「ウェーバー」

 池田仁と畠中一樹が手がける店舗を持たない古着屋「ウェーバー(WEBER)」は、自分たちのヴィンテージTシャツのコレクションを掲載したアーカイブブックのローンチイベントをドーバーで行ったことがきっかけで、ドーバーファミリーの一員に。今回は「トイ・ストーリー」のウッディとバズ、「スターウォーズ」のアミダラ女王をデザインした限定Tシャツを販売しました。シルクスクリーンで90年代のデザインを忠実に再現したそうです。アミダラ女王のTシャツを目当てに並ぶお客さんも多く見かけました。

「オーラリー」

 「オーラリー(AURALEE)」は、今回のイベントを機に3階に初出店しました。岩井良太デザイナーは、「みんなが憧れているこの場所に参加できてうれしい。昔から東京に来る時には見にきていて、こんなにワクワクする店はなかなかない」と話します。別注アイテムのジャンプスーツとブルゾンは、ドーバーをイメージして黒を採用したそうです。

「オルガグースキャンドル」

 ユニークなモチーフが可愛らしいハンドメイドのキャンドルブランド「オルガグースキャンドル(OLGA GOOSE CANDLE)」は、1階のインスタレーションスペースの“エレファント”を題材にした限定キャンドルを販売しました。「オルガグースキャンドル」の商品には、それぞれ“おまじない”がかけられているそうで、今回の限定キャンドルには「未知と遭遇できる」というマジックメッセージが込められています。

「アディッシュ」

 イスラエル発の「アディッシュ(ADISH)」は、「ノーマティーディー(NOMA T.D.)」とのカプセルコレクションを販売しました。あわせて同コレクションのアイテムにも施したパレスチナの伝統刺繍をモチーフにしたスタンプなどを使って、自由にTシャツをデコレーションできるワークショップを実施しました。ブランド創業者のエヤル・エリヤフ(Eyal Eliyahu)は、「2018年に創業した当初から、ドーバーと関わることを目標にしていた。今回はインスタレーションだけでなく、みんなに参加してもらうことでよりブランドのストーリーを理解してもらえると思った」と話しました。

「アルテック」

 フィンランド発インテリアブランド「アルテック(ARTEK)」は、ドーバーと長い歴史のあるブランドです。川久保デザイナーがそのシンプルで普遍的なデザインに惚れ込んだことがきっかけで、店内の什器にも使われています。2013年には、アルテックを象徴する「スツール 60」の生誕80周年を記念したインスタレーションが実施されました。今回は店内で使われていた椅子や、ビンテージの椅子を解体したパーツを用いて、オリジナルの椅子が作れるワークショップを開催しました。「アルテック」のPR担当者は、「シンプルで強いデザインを追求する姿勢がドーバーとの共通点だと思う」とコメントしました。

「ゴールドウイン」

 「ゴールドウイン(GOLDWIN)」は、スパイバーが開発した人工タンパク質“ブリュードプロテイン”を用いたアイテムを核とする「ゴールドウイン ゼロ(GOLDWIN 0)」プロジェクトのローンチをきっかけに、ドーバーファミリーに加わりました。同プロジェクトに携わる元田太郎「ゴールドウイン」クリエイティブ・ディレクター、小池夏子マーケティング・ディレクター、ジャン・ルック・アンブリッジ(Jean-Luc Ambridge)「ゴールドウイン ゼロ」デザイナー、写真家のダニエル・シェア(Daniel Shea)、デザイナーデュオのOK-RMを招いたトークショーも行われ、ビジュアル制作の過程などについて語りました。

「ダニエラ グレジス」

 ドーバーの取り扱いブランドの中でも、古株の「ダニエラ グレジス(DANIELA GREGIS)」のデザイナーのダニエラ・グレジスも急遽来店しました。グレジスデザイナーは「ドーバーにはどんなに時間がなくても東京に来る度に毎回立ち寄っている。ここはまさに世界の縮図のようで、世界で何が起こっているかを知れる場所」と話します。

「キコ コスタディノフ」×「ヒステリックグラマー」

 「キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)」は、「ヒステリックグラマー(HYSTERIC GLAMOUR)」とコラボしたカプセルコレクションを披露しました。イベント終盤では、デザイナーのキコ・コスタディノフ本人とウィメンズ・ディレクターのディアナ(Deanna)&ローラ・ファニング(Laura Fanning)、水原希子を起用したキャンペーンビジュアルを撮影した写真家ロージー・マークス(Rosie Marks)が来場し、コラボフォトブックのサイン会も行われました。コスタディノフデザイナーによると、今回のコラボはロンドンの共通の知り合いがきっかけで生まれたそう。「ヒスは長い歴史があって、アイコニックなブランド。オリジナリティーを追求してきたブランドとコラボできてうれしい」と話してくれました。前日には、文化服装学院で特別講義を行いました。「授業は良いエネルギーに溢れていたよ。生徒から直接質問を受けられる良い機会だった」と振り返りました。

 ケータリングには、表参道で人気の「アマムダコタン」と、「アマムダコタン」が手がけるドーナツ専門店「I'm donut ?」が出店しました。今回のイベントのために考案された一口サイズのサンドウィッチやドーナツが振舞われました。

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