日本人デザイナーの大月壮士による「ソウシオオツキ(SOSHIOTSUKI)」が9月3日、2025年度の「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE以下、LVMHプライズ)」を受賞した。パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンで行われた授賞式で大月は、インド人女優で「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のブランドアンバサダーを務めるディーピカー・パードゥコーン(Deepika Padukone)から賞を受け取った。日本人によるグランプリの受賞は、井野将之の「ダブレット(DOUBLET)」が18年度、桑田悟史の「セッチュウ(SETCHU)」が23年度にグランプリを受賞して以来3回目。大月は、40万ユーロ(約6900万円)のグランプリ賞金に加え、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の専門家による1年間のコーチングプログラムを獲得した。
大月は会場で「サンキュー」を連呼し、審査員や関係者、これまでブランドに携わった人たちに繰り返し謝意を示した。
15年にスタートした「ソウシオオツキ」は、1980年代の「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」に刺激を受けるなど、和と洋の紳士服のコードを融合。シグネチャーであるスーツの裏地には着物の袖を思わせるスリット、ジャケットには道着のような前合わせのディテールなど、独自のメンズウエアを確立している。大月は90年千葉県生まれ。文化服装学院メンズウエア科や「ここのがっこう」で学び、2015年に自身のメンズウエアブランドを立ち上げた。翌年には「LVMHプライズ」のファイナリストに選出された。
LVMHプライズは、「ジバンシィ(GIVENCHY)」のクリエイティブ・ディレクターに就任したサラ・バートン(Sarah Burton)のほか、「ディオール(DIOR)」のジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquiere)、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)、「ケンゾー(KENZO)」のNigo、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)、「フェンディ(FENDI)」のシルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)、「ルイ・ヴィトン」のメンズを手掛けるファレル・ウィリアムズ(Pharrell Williams)、そしてLVMHの幹部であるディオール会長兼CEOのデルフィーヌ・アルノー(Delphine Arnault)、LVMH会長兼CEOのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)のアドバイザーであるシドニー・トレダノ(Sidney Toledano)、そして同じくアルノーのアドバイザーでありLVMHのパトロネージ・ディレクターでもあるジャン=ポール・クラヴリー(Jean-Paul Bourelly)が名を連ねた。
毎年開催されるこのデザイン賞は、マリーン・セル(Marine Serre)、ネンシ・ドジャカ(Nensi Dojaka)、テベ・マググ(Thebe Magugu)、サイモン・ポート・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)、ウェールズ・ボナー(Wales Bonner)といったデザイナーをグランプリに選出。昨年の受賞者はスウェーデン人デザイナーのエレン・ホダコヴァ・ラーソン(Ellen Hodakova Larsson)。