三越伊勢丹の売上高は前年同月比5.2%減。伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の都心3店合計では、国内売上高が3.7%増だった一方、免税売上高は同35.6%減と大幅なマイナス。免税売上高に関しては、前年7月が三越伊勢丹全体として月次ベースで過去3番目の高水準を記録したこともあり、その反動も大きくなった。ただし月後半にかけては回復基調という。
伊勢丹新宿本店は、国内売上高が同3.1%増と底堅く、秋物の立ち上がりや化粧品の季節商材が好調だった一方、免税売上高は同42.1%減と大きな落ち込み。特に高額なラグジュアリー商品の動きが鈍化した。三越銀座店は免税売上が24.4%減と比較的下げ幅が小さく、都心3店舗の中でもインバウンド需要の底打ち感が見え始めている。
高島屋は全店計で前年同月比6.6%減(既存店ベースでは3.7%減)、免税売上高は同33.0%減だった。国内顧客による夏物衣料や宝飾品の需要は堅調で、免税を除いた既存店売上は同1.6%増と健闘したが、高額品を中心とする訪日客需要の減退が全体を押し下げた。都心部では、大阪店が同3.8%減、新宿店が同8.2%減、同京都店が9.1%減と、いずれも前年割れ。
大丸松坂屋百貨店は前年同月比0.6%減と、4社の中では最も減少幅が小さかった。免税売上高は同30.1%減も、国内売上高は3.3%増。化粧品などの消耗品が堅調に売れたことに加え、大丸梅田店や松坂屋名古屋店の改装効果、外商や美術品、時計が全体を下支えした。
阪急阪神百貨店の売上高は前年同月比8.8%減、免税売上高は同約40%減だった。旗艦の阪急本店は、売上高が同13.4%減と落ち込んだ。全館リモデルに伴う売場閉鎖のマイナス影響に加え、免税売上が前年同月比4割減となった。一方、夏の長期化に対応した6月下旬以降の婦人衣料の足し込み策、鮮度の高いイベント展開が奏功し、国内顧客の誘客には一定の効果があった。阪神梅田本店は同7.5%増と前年実績を超え、ファッションとライフスタイルカテゴリーが2割増とけん引した。