ファッション

ギャップ、ターゲットなどが繊維to繊維リサイクルのスタートアップと協業 H&Mも出資

米ギャップ(GAP)、ディスカウントストアチェーン大手のターゲット(TARGET)、ストックホルム拠点のフーディニ スポーツウエア(HOUDINI SPORTSWEAR)は、繊維to繊維リサイクルのスタートアップ企業サイア(SYRE)と協業し、循環型への転換を進める。

サイアは繊維産業の脱炭素化と廃棄物削減をミッションに掲げ、2024年3月に創業した。繊維廃棄物を化学的に分解するケミカルリサイクル技術で、高品質なリサイクルポリエステルを生産する。24年5月にはTPGライズ・クライメート(TPG RISE CLIMATE)が主導し、H&Mグループ(H&M GROUP)、ジャイアント・ベンチャーズ(GIANT VENTURES)、IMASファウンデーション(IMAS FOUNDATION)、ノルスケンVC(NORRSKEN VC)、ボルボ・カーズ(VOLVO CARS)が参加する投資ラウンドシリーズAで、1億ドル(約148億円を)を調達した。

現在、米ノースカロライナ州シーダークリークに最初のリサイクル工場を建設中で、26年に稼働を予定する。この工場では、年間最大1万トンのリサイクルポリエステルを生産できる見込み。また28年には、ベトナムでも新たな工場を稼働予定。

ギャップは、年間で1万トンのサイア製ポリエステルを活用する計画だ。ギャップは「今回の協業は、『オールドネイビー(OLD NAVY)』『ギャップ(GAP)』『バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)』『アスレタ(ATHLETA)』といったブランド全体で、よりサステナブルな素材を取り入れるために重要な一歩である」とコメントした。

アウトドアブランドの「フーディニ」は、サイアとの連携の下、廃棄物ゼロの仕組みを構築し、30年までに完全な循環を実現させるという。同社は今後3年間、ポリエステルの50%をサイア製のポリエステルに切り替える。

ターゲットは、40年までに自社ブランド製品の100%を循環型の設計にすることを目指し、一部の製品で同社のポリエステルを採用する。

サイアのデニス・ノベリウス(Dennis Nobelius)最高経営責任者は「スケール拡大に向けて取り組む中、今回の協業は商業的成功を後押しするだけでなく、業界の再定義と真の循環性への緊急なシフトを推進する一助になると確信している」と述べた。

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