
“アイブロウ・眉カット”メニューをサロンで利用する男女が増えている。リクルート「美容センサス2024年上期≪アイビューティーサロン編≫」によると、40代女性はアイビューティサロン1回あたりの利用金額が顕著に上昇。“まつげエクステンション”の利用も伸びており、時短美容として取り入れる人が増えている。今回はアイブロウトレンドを好調ブランドに聞いたほか、新製品を中心にアイラッシュアイテムの最前線をリポートする。
25年春夏は直線的平行眉から
「透け感×立体感×ナチュラルな毛流れ」のバランス重視に
「エイチビーエルビューティ(HBL BEAUTY)」
25年春夏のアイブロウのデザイントレンドは、「『個性を生かすフワッと眉』が主流になる。直線的な平行眉から、毛流れを意識した、美しく自然体な眉へと進化。立体感のある毛流れと透け感のある仕上がりが求められている。注目すべきは、透け感×立体感×ナチュラルな毛流れのバランスだ」と眉癖改善技術「ハリウッドブロウリフト」を提唱する福井仁美ジュリアアイビー社長代表は語る。
また、「日本と韓国のアイブロウトレンドは密接にリンクしている」という。韓国アイドルの間でも、透明なスタイリングマスカラを使って毛流れを整えるスタイルが浸透しつつある。特に「肌なじみの良さや透明感、ナチュラルな仕上がりといった共通要素」。韓国では、すっぴんの延長線上にあるような“ナチュラル・クリーンな美しさ”が支持されており、アイブロウも同じく、より自然で計算された仕上がりが求められている。
カラーは、ほんのり色づきながらも、抜け感を生かしつつ骨格になじむものが支持を得ている。定番の白みベージュ系に加え、ニュートラルトーンやカーキブラウンなど、ニュアンスを感じるカラーに注目が集まる。
同社は、1月に眉専用のコスメブランド「エイチビーエルビューティ」を立ち上げた。「ハリウッドブロウリフト」では700万件以上の施術データに基づく知見を生かし、唯一無二の眉メソッドを確立。このノウハウを、誰でも簡単にプロ並みのふんわりナチュラル眉に仕上げられるプロダクト設計とした。「アイブロウは『塗りつぶす時代』から『一本一本毛を描く時代』へと移行している」。パウダーとリキッドを融合させた“3Dクッションブロウ”(3960円)はパウダーとリキッドのハイブリッド。眉に自然な立体感とロングラスティング効果をもたらし、テクニックレスで消えにくい美眉を実現する。またヒアルロン酸などの美容成分を配合し、メイクしながら眉をケアできる。
「セルヴォーク(CELVOKE)」
今夏は「眉の存在感を柔らかくし、主張し過ぎない肌の血色感になじむようなピンクニュアンスの色を展開する」とナチュラル&オーガニックブランド「セルヴォーク」の八塚七恵PR担当。アイブロウマスカラには毛流れを整える機能性も持たせている。アイブロウは、アイカラーやリップからの足し引き算で、マスカラはあえてしない抜け感を提案してきたのでラインアップもアイブロウカテゴリーが充実する。
特に“アイブロウパウダー”(全11種、各3850円)と“アイブロウマスカラ”(全8色、各4.7g、各3080円)が人気だ。“アイブロウパウダー”は、「セルヴォーク」らしい奥ゆきや抜け感のあるカラーを展開。微細なラメを配合し、黒眉から薄い眉まで幅広くなじむ。「早くからカラー眉を提案してきたブランドでもあり、色で作る眉の抜け感がトレンドにうまくハマり支持を得ている」。
「セルヴォーク」は、パーツごとではなくフェイス全体としての提案を行う。ランウエイやコレクションファッションを着想源にブランドメイクを作っており、その中の足し引き算でアイブロウを考えているのも特徴だ。
「オラプレックス(OLAPLEX)」
世界150カ国で展開するヘアケアブランド「オラプレックス」は自然な成長サイクルと毛質をケアする眉毛美容液、“ブロウボンドビルディングセラム”(3.5mL、6160円)を2月に発売した。ダメージケア、形状キープ、柔軟性アップ、栄養補給の4つのケアがかなう眉毛グルーミングジェルセラムで、「多くの人が4週間の使用で眉毛の存在感をアップできているようだ」とブランド担当者。眉毛の毛流れを整えるスタイリング剤としても活躍する。
まつ毛美容液も「成分」にこだわる
まつげを育む「まつ育」アイテムも新製品が活況だ。カナダ発のクリーンビューティブランド「ルナネクター(LUNA NECTAR)」“ムーンブースト アイラッシュセラム”(4mL、1万6500円)は、アロエベラ液汁ベースの100%ナチュラルなまつげ美容液。皮膚科専門医と毛髪専門医による臨床試験で承認を受け、ツボクサエキスやゴボウ根エキスなどをアダプトゲン(東洋の伝統医学においてストレスへの適応力を高めるために用いられてきたハーブや生薬の総称)成分として採用している。また、刺激のもとになりうるプロスタグランジンは使用していない。高単価だがギフト需要にマッチした。
「シーオーメディカル(CO-MEDICAL)」“湘南美容まつ毛美容液プレミアム”(4mL、3740円)は、毛根幹細胞培養液を配合。毛根の細胞活性成分となる成長因子を豊富に含み、毛周期の成長期だけでなく、退行期、休止期へのアプローチも期待できる。「アリスベル(ALICE BELLE)」は3月19日に、まつげ美容液“ノーヴィル ラッシュ30”(1.7mL、5720円)を発売した。ブランドのキーとなる美容成分のヒト幹細胞培養上清液を30%、アーユルヴェーダ発想の18種類のハーブを配合している。まつげ美容液にも、“成分推し”のトレンドが反映されている。
髪色に合わせて遊べるプレイフルなマスカラ、韓国発「束感まつ毛」も好調
コーセー ミルボン コスメティクスが展開するヘアサロン専売ブランド「アイエム(IM)」の“ブロウ&ラッシュ カラーマスカラ”(全14色、各5g、各2420円)は、髪色に合わせて選べる高彩度、高明度など幅広いカラーバリエーションで、眉とまつげどちらにも使える汎用性の高さで支持されている。特に、コーラルピンクのPK851カラーの人気が高い。
「まつげを強調し、ぱっちりとした目元を演出する“束感まつげ”はZ世代を中心に支持され、今は年代を問わずアイメイクの定番となっている」と、五百川栞「ディーアップ(D-UP)」PR。「ディーアップ」が4月24日に全国発売するつけまつげ“ディーアップ ラッシュフォーカス”(全5型、各2ペア入り、各1320円)は、毛先が際立つスリムな束感が特徴で、簡単に韓国メイクサロン級の仕上がりをかなえる。2月3日にドンキホーテで先行販売し、売れ行きは好調だという。