情報筋によれば、「ミュグレー(MUGLER)」のケーシー・カドウォールダー(Casey Cadwallader)=アーティスティック・ディレクターが退任するようだ。早ければ、今春にもブランドを離れるという。同氏の後任や、今後の動きについては明らかになっていない。本件について、同氏および「ミュグレー」のコメントは得られなかった。
カドウォールダー=アーティスティック・ディレクターの経歴
カドウォールダー=アーティスティック・ディレクターは米国出身で、現在45歳。米名門コーネル大学(Cornell University)で建築を学んだ後、「ナルシソ ロドリゲス(NARCISO RODRIGUEZ)」や「J. メンデル(J.MENDEL)」「ロエベ(LOEWE)」「セイ(TSE)」などでキャリアを積んだ。その後、「アクネ ストゥディオス(ACNE STUDIOS)」に加わり、ウィメンズのプレ・コレクションのヘッド・デザイナーを務めた。2017年12月から現職。
「ミュグレー」について
「ミュグレー」は、1974年にデザイナーのマンフレッド・ティエリー・ミュグレー(Manfred Thierry Mugler)が「ティエリー・ミュグレー(THIERRY MUGLER)」として創業。肩パッドを入れたワイドなショルダーとウェストを絞った逆三角形のシルエットで、80年代から90年代にかけて世界的な人気を博した。90年には、クラランス グループ(GROUPE CLARINS以下、クラランス)と協業してフレグランス事業に進出。97年に、クラランスの傘下となった。同社は2002年に同ブランドのウエア事業を終了し、これに伴ってミュグレー創業デザイナーはファッション業界から引退。10年には、ブランド名が「ミュグレー」に改称された。19年、クラランスは同ブランドをロレアル(L’OREAL)に売却。22年1月、ミュグレー創業デザイナーが73歳で死去した。カドウォールダー=アーティスティック・ディレクターが就任する以前には、ニコラ・フォルミケッティ(Nicola Formichetti)やデヴィッド・コーマ(David Koma)がブランドのクリエイティブ面を率いていた。
カドウォールダー=アーティスティック・ディレクターの就任後、「ミュグレー」は20年から2ケタ成長を続けているという。23年の時点で、卸先は150程度。また、同年には「H&M」と協業している。なお、「ミュグレー」は、3月3日にスタートする25-26年秋冬パリ・ファッション・ウイークの公式カレンダーに含まれていない。