青山商事は、4月1日付で遠藤泰三・執行役員管理本部長が執行役員社長に就任し、6月26日付けで青山理・代表取締役社長が代表取締役会長に、遠藤氏が代表取締役社長兼執行役員社長に就任することを発表した。青山商事の社長交代は20年ぶりで、創業家以外からの選出は初めて。
遠藤氏は1967年12月26日生まれ。90年3月に青山商事に入社後「洋服の青山」せんげん台店店長に就任し、その後、人材開発部部長代理、総務部部長代理などとして活躍。カジュアルランドあおやまの取締役リユース事業本部長、人事部長、執行役員人事戦略本部長等の要職を経て、2021年4月に執行役員管理本部長に就いた。
創業60周年を機に、次期経営体制への交代を決定。新たな経営体制の下でデジタル化やカジュアル化といった社会構造の変化に迅速に対応し、企業価値のさらなる向上と持続的成長を目指す。
同社は紳士服専門店の最大手。値ごろなスーツを売る「洋服の青山」を全国各地の幹線道路沿いに出店するとともに、積極的なテレビCMなどで成長を遂げた。創業者の青山五郎氏(1930~2008年)は、完全買い取りの仕入れや多店舗化によるスケールメリットによって「スーツの価格破壊」として名を馳せた。都市部では「ザ・スーツカンパニー」「スーツスクエア」などの業態を運営する。2022年にはオーダースーツの「麻布テーラー」を買収した。売上高に占めるビジネスウエアの割合は約7割だが、ビジネスシーンの変化に伴い、カジュアルな服も拡大している。また子会社を通じて靴の修理店「ミスターミニット」事業、飲食店やフィットネスジムのフランチャイジー事業を行っている。2024年3月期の売上高は前期比12%減の1936億円、営業利益は119億円だった。
遠藤氏は、創業者の青山五郎氏、青山五郎氏の義弟である宮前省三氏、青山五郎氏の長男である理氏に続く4代目の社長となる。