PROFILE: 一色紗英/「アーキ」ディレクター

神奈川県葉山町・長柄の住宅街を山際まで進むと、小さなログハウスと古民家を改装した平屋建ての建物が見えてくる。俳優の一色紗英が1999年に立ち上げたアパレルブランド「アーキ(ARCHI)」の旗艦店「アーキ ギボウス(ARCHI gibbous)」と、ブランドの拠点となるアトリエだ。(この記事は「WWDJAPAN」2025年1月20日号からの抜粋です)
ARCHI
by SAE ISSHIKI
BRAND HISTORY
1996年 フリーマーケットで自作Tシャツの販売を開始
1999年 12月 ブランドを正式に立ち上げる
2004年 キッズラインを立ち上げる
2016年 7月 ブランドの拠点を葉山に移し、旗艦店「アーキ ギボウス」をオープン
91年に俳優としてデビューした一色が、シルクスクリーンを使ってTシャツを制作し始めたのは10代のころ。既製品のボディーにメッセージをプリントし、フリーマーケットで販売した。メディアで作られる華やかなイメージと、素の自分に隔たりを感じながら仕事をする中、服作りは欠かせないものになった。「その時はまだ、インターネットやSNSもない時代。個人で発信はできず、着ぐるみを着る覚悟で芸能の仕事をしていた。だから、服作りは自分が自分であるための大事な自己表現。人前に立つよりもモノ作りが性に合っていた」。当時は、次々にドメステックブランドが立ち上がっていた原宿ファッションの全盛期。やがて一色も、パターンをおこしてTシャツをボディーから制作するようになる。友人たちの協力もあり、商品が「ビームス(BEAMS)」や「ミルクフェド(MILKFED.)」で取り扱われるようになったのを機に、弱冠20歳で会社を設立。ディレクターとして、ギリシャ語で「起源」を意味するブランド「アーキ」を立ち上げた。以来、等身大のリアルクローズを掲げ、自身が海外を旅する中で出合った文化や素材から得たインスピレーションを、コレクションに落とし込んできた。
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