ビジネス

「アディダス」VS「トム ブラウン」のストライプ商標権侵害訴訟、第二ラウンドも「トムブラウン」に軍配

トム ブラウン(THOM BROWNE)」がアパレルなどに採用した4本線のストライプ柄やブランドのトレードマークでもあるトリコロールカラーのグログランリボンが「アディダス(ADIDAS)」の商標権を侵害しているなどとして、「アディダス」と「トム ブラウン」が争っている裁判に関連して、裁判所は「アディダス」の再審請求2件を却下した。

1件目は、「アディダス」が約800万ドル(約12億4000万円)の損害賠償求めて「トム ブラウン」を提訴し、2023年1月に8人の陪審員が「トム ブラウン」の商標権侵害を否定した裁判の再審請求だ。「アディダス」は、ジェド・ラコフ(Jed Rakoff)判事が「(商品の)販売時点で(消費者が両ブランドの商品を)混同する可能性」に関して陪審員に不正確な説明を行ったと主張し、再審請求を行った。裁判所は、陪審評決を覆すことはないとし、「トム ブラウン」による「アディダス」商標の侵害を否定した。

2件目は、前述の裁判の証拠開示手続き期間中に「トム ブラウン」が開示しなかった4件のメールを発見したとして再審を求めていた件だ。「アディダス」は、「トム ブラウン」が証拠開示手続き期間中に4通のメールを「悪意をもって」開示せず、裁判の結果を左右する重要なメールを隠したと主張し、再審を請求していた。問題のメールは、従業員がデザイナーのトム・ブラウンに対して、「アディダス」の商品と混同を生じさせる可能性があるため、特定のストライプを使用しないよう注意喚起を行う内容で、英国における両者間の別の商標紛争中に発見された。「トム ブラウン」は、これらのメールは本件訴訟で問題となっている商品とは関連がなく、再審の必要はないと反論していた。ラコフ判事は「アディダス」の申立てを却下したが、「アディダス」はこの判決を不服として控訴する可能性があるとみられている。

「トム ブラウン」は、長年3本ストライプのデザインを採用していたが、2007年に「アディダス」から指摘を受け、4本線のデザインに変更することに同意した。

「アディダス」は、1950年代からアメリカで3本線のデザインを使用している。ストライプの宣伝に年間3億ドル(約465億円)を費やし、このマークを称した商品の年間売り上げは31億ドル(約4805億円)にのぼる。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

猛暑を乗り切る37の答え 2025年春夏メンズトレンドの全貌

「WWDJAPAN」7月29日号は、2025年春夏シーズンのメンズトレンドを特集します。6月のメンズ・ファッション・ウイークの「ピッティ・イマージネ・ウオモ」からパリメンズまで、13日間の取材で見いだした37のトレンドを、87ブランドの豊富なスタイルサンプルと共に紹介します。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。