ファッション
連載 今週の学生に読んでほしい記事3選 第33回

アパレル“シロウト”3人で年商5億円を遂げた背景は? 00年生まれデザイナーやNFT×コスメを知る

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この連載は週に一度、「WWDJAPAN Digital」に掲載した記事から学生に読んでほしいものを厳選し、記者のコメント付きで紹介するものだ。今回はアパレル未経験の3人が立ち上げたブランドや2000年生まれのジュエリーデザイナーに迫るインタビューに加え、NFTを活用した新たなコスメブランドの動向を掘り下げる。ニュースの読み方を知るとともに、面接やビジネス会話のヒントになれば幸いだ。

【記事1】
アパレル業界“シロウト”3人で年商5億円
「クヌースマーフ」常識知らずの突破力

コロナ禍でバブル的に急増したEC主軸のアパレルブランドも、選別淘汰が進んでいる。生き残れるのは、強い個性を備えたブランドだけだ。IN Inc.が運営するEC主軸ブランド「クヌースマーフ(KNUTH MARF)」は設立(2021年11月)から1年で年商5億円に達するなど急成長を遂げた。アパレル業界未経験のコアメンバー3人が作る服と世界観は、既成概念に捉われない面白さがある。

IN Inc.のメンバー5人のうち、コアメンバーであるデザインディレクターのChiEmiは元保育士、クリエイティブディレクター和泉琴華の本職はイラストレーター。中井亮CEOは、吉本総合芸能学院で学び、本気で芸人を目指していた過去がある。「僕らが事業を始めたとき、それは今もかもしれませんが、アパレル業界の常識というものが全くなかったんです」と中井CEO。(全文はこちら

【記者の解説】

Yahoo! ニュースのトップにも掲出されたことで、大きな反響があった本記事。アパレル未経験の3人が、たった数年で5億円のビジネスを作ることができたことに驚く声がたくさん寄せられた。アパレルメーカーに限らず、熱意のある人なら誰でも自分のブランドを立ち上げることができる時代。一方で、それだけ競争も熾烈になった。これまでのアパレル業界にはなかった柔軟な発想、そして「誰に」「何を」届けたいのかという作り手の思いが重要だ。(本橋涼介/編集部シニアエディター)

【記事2】
Z世代が手掛けるジュエリー「リメルリック」
 大学院生のデザイナーに聞くジェンダーに対する意識

ジュエリーブランド「リメルリック(REMELRIC)」は、“都市鉱山”と呼ばれる廃棄された携帯電話やPCなどから採取した金属を精製した“リファインメタル”やデッドストックの石を使用した環境に優しいブランドだ。日本大学大学院生のRENが手掛けるジュエリーは、男性、女性両方が着用できるジェンダーニュートラルなデザイン。カメラマンの川島小鳥が撮影したビジュアルには、ジュエリーを重ね付けした男性が登場している。ブランドのオンラインストアや「エル・ショップ(ELLE SHOP)」の他、ユナイテッドアローズ麻布台ヒルズ店でも販売をスタート。ファッションが大好きというデザイナーのRENは、ジュエリーをはじめ、ネイルやメイクまで日常的に楽しんでいる。Z世代の彼に、ブランドやジェンダーに対する意識について聞いた。(全文はこちら

【記者の解説】

男性の間で急激にジュエリー着用率が高まるきっかけになったのが、2020年に登場した「ミキモト(MIKIMOTO)」と「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」がコラボレーションしたパールネックレスだ。男性の間でパールネックレスが市民権を得て、ここ数年でジェンダーに対する意識が急激に変化した。以前は“女性のもの”とされてきたビジュー系やハートモチーフのジュエリーを選ぶ男性もいる。ジュエリーだけでなく、ファッションも同様だ。ロングシャツやスカートをレイヤードアイテムとして楽しむ男性が増加。社会的なダイバーシティーの浸透により、ジェンダーなどに対するバイアスがなくなりつつある。(益成恭子/編集部記者)

【記事3】
エスティローダーがNFTでファンと
商品を共創する「キキ ワールド」に投資

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)はこのほど、傘下の投資ファンド、ニュー インキュベーション ベンチャーズ(NEW INCUBATION VENTURES以下、NIV)を通じて、米コスメブランドの「キキ ワールド(KIKI WORLD)」に出資したことを発表した。「キキ ワールド」は23年5月に、会員と共同開発した剥がせるピールオフタイプのネイル“プリティ ネイル グラフィティ”(29ドル、約4437円)を発売した。独自のプラットフォームとブロックチェーンインフラを基盤に、Web3.0を駆使した会員システムを導入する。(全文はこちら

【記者の解説】

世界第3位のビューティ企業、ELCが目をつけたのは、NFTを活用するコスメブランド「キキ ワールド」だ。会員になると、商品の発売に関わったりNFTを通じたデジタルトークンを入手できたりと、これまでのコスメブランドにはない「ブランドを共に創っている」という感覚が得られる。サイトのホームページには商品を閲覧できる「SHOP」の隣に「VOTE(投票)」の項目が並び、未来的なデザインが高揚感をかき立てる。「キキ ワールド」の共同設立者の3人は「インターネットは創造力の“エンジン”」と話している。(遠藤里紗/編集部記者)

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