ファッション
特集 東コレ2024-25年秋冬

「ハイドサイン」渾身の60ルック ユニホーム企業が挑む機能服と日常着の融合

ユニホームデザイン企業ハイドサイン(HIDESIGN)の自社ブランド「ハイドサイン」は11日、「楽天 ファッション ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」で2024-25年秋冬コレクションを渋谷ヒカリエで発表した。

同ブランドはファッションディレクターの山口壮大をクリエイティブ・ディレクターに迎えて22年に立ち上げ以降、“グレーカラー(Gray Collar)”をコレクションテーマに掲げている。3度目の東コレ参加となる今季も同様に、ブルーカラーにもホワイトカラーにも属さない労働者に向けて、「全ての人に最適なユニホームを」という思いを込めた。

ショー前には、波打ち際や雨の音、野生動物の鳴き声と、解体現場の作業音という、自然と人間の共存を思わせるサウンドが会場を満たした。ブルーのライトが空間を照らすと、タイル張りの四角形のステージに、全身グレーの作業着に身を包み、マスクで口を覆ったモデル30人が一気に登場した。

モデルがまとう作業着は、オールインワンからセパレートタイプ、エプロンなどで、大小さまざまなポケットを施した。ペンや携帯電話、バッテリー用から、新聞やおにぎりのためのものまでさまざま。実用面にもこだわり、「ポケットの底をすべて二重にしたり、収容物がフィットする規格にしたり、表から見えない部分を作り込んだ」と山口ディレクター。

日常着の要素を強めた
“グレーカラー”の集大成

しばらくすると、ステージに立つ30人のモデルの間を、さらに30人のモデルが歩いていく。後半に登場したモデルが身に着けるのは、より日常着の要素を強くしたウエア。カラーはライトグレーからダークグレーまで濃淡を幅広く使い、シンプルなダウンジャケットに、ライトグレーのワークパンツを合わせたファーストルックから、徐々にアレンジを効かせたアイテムが登場する。例えば、エプロンをノースリーブのキルティングコートにしたり、作業着風のノーカラーシャツが手をすっぽりと覆い隠すほど超ロング袖だったり、シャツの色が配管のようなシルバーだったり。さらに、作業現場でペンキが付着したような加工を施したパンツや、たすき掛け仕様のベスト、反射テープで膝当て部分を囲ったパンツなども並んだ。

フィナーレでは、吉井秀雄社長兼チーフデザイナーと山口ディレクターのほか、10人ほどのスタッフが観客に向かって深々と一礼した。これまで東コレで披露したコレクションはあくまでもショーピースで、販売はしていなかったものの、今年2月にはバイヤー向けに新作コレクションの展示会を初めて開催した。今後はグローバルブランドに育てるため、まずは5〜10アカウントでの卸売を目指す。山口ディレクターは、次シーズン以降は“グレーカラー”ではない新たなテーマを立てるとと明かしており、“グレーカラー”の集大成として、パワフルなショーを見せた。

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