ビューティ

エスティ ローダー、23年7〜12月期は営業利益44.8%減 最大3000人の人員削減へ

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)の2023年7〜12月期決算は、売上高が前年同期比8.9%減の77億9700万ドル(約1兆1539億円)、営業利益が同44.8%減の6億7200万ドル(約994億円)、純利益が同59.5%減の3億6000万ドル(約532億円)となり前期に続き減収減益だった。また、10~12月期の売上高は同7.4%減の42億7900万ドル(約6332億円)、営業利益は同3.2%増の5億7400万ドル(約849億円)、純利益は同18.4%減の3億2400万ドル(約479億円)で、アジアのトラベルリテール減少や中国におけるプレステージビューティ市場全体の低調を反映した結果となった。24年6月期の通期決算の売上高は前期比1%減〜1%増を見込む。

カテゴリー別で見ると、7〜12月期のスキンケアの売上高が同16%減の38億1300万ドル(約5643億円)、メイクアップが同4.0%減の22億2900万ドル(約3298億円)、フレグランスが3.2%増の13億7300万ドル(約2032億円)、ヘアケアが5.6%減の3億2100万ドル(約475億円)だった。地域別では、7〜12月期の米州の売上高が同3.9%増の24億5000万ドル(約3626億円)、欧州・中東・アフリカが同18.8%減の28億4100万ドル(約4204億円)、アジア太平洋地域が同7.2%減の25億700万ドル(約3710億円)だった。

「ラ・メール」「ジョー マローン」
「クリニーク」「ル・ラボ」が好調

ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)社長兼最高経営責任者(CEO)は、「10〜12月期は既存事業の売上高・利益ともに予想を上回った。スキンケアでは『ジ オーディナリー(THE ORDINARY)』と『ラ・メール(LA MER)』、メイクアップでは『クリニーク(CLINIQUE)』、フレグランスは『ル・ラボ(LE LABO)』と『ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)』が好調に推移した。上半期はアジアのトラベルリテール事業における在庫の削減、運転資金の改善、適正価格の実現、経費管理などいくつかの戦略的優先事項で前進が見られた。中国本土とアジアのトラベルリテールの売上高は減少したものの、下期には既存事業の売り上げが成長に転じ、収益性が上がると見込んでいる」と述べた。

収益力回復に向けた
事業再編計画を発表

同社は、昨年11月に発表した25・26年度を対象とする収益力回復に向けた計画を拡大。その一環で全世界の従業員6万2000人の3〜5%を削減すると発表した。リストラ計画の対象となる部門など詳細は明らかにされていないが、同社によるとこの計画は部門の再編成や組織の簡素化、プロセスの迅速化に重点を置く。このリストラ計画の実施により年間3億5000万〜5億ドル(約518億〜740億円)の利益回復が見込まれる。収益回復計画全体では現在11億〜14億ドル(約1628億〜2072億円)の営業利益増が予想されている。

同社のトレーシー・T・トラヴィス(Tracy T. Travis)副社長兼最高財務責任者(CFO)は米「WWD」に、「リストラに関する計画が2〜3カ月以内にわれわれに提出され、今後数カ月の内に承認する予定だ」と述べた。事業売却の可能性については、「現在の最優先事項ではないが、機動性を高めるために適切な事業構造を検討するにあたり、あらゆる選択肢が議論のテーブル上にある」と説明した。

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