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米ブランド管理会社ABG、「シーイン」と提携 傘下「フォーエバー21」の生産や共同ブランドの立ち上げなど

米ブランド管理会社オーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)は、傘下ブランド「フォーエバー21(FOREVER 21)」のライフスタイルおよびファッションカテゴリーにおいて、グローバルSPAブランド「シーイン(SHEIN)」と長期的なパートナーシップ契約を締結した。これにより、「シーイン」は「フォーエバー21」のスポーツウエア、アクティブウエア、スイムウエアを含むアパレルとアクセサリーのデザイン、製造、流通を手掛けることになる。また、共同ブランド「フォーエバー21 ✕ シーイン」を立ち上げ、米国と一部の欧州およびオーストラリアの「シーイン」オンラインストアで販売する。

「フォーエバー21」は、2019年9月に日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の適用を申請し、競売にかけられた。20年2月、ABGと米不動産投資信託会社のサイモン・プロパティー・グループ(SIMON PROPERTY GROUP以下、サイモン)および同ブルックフィールド・プロパティー・パートナーズ(BROOKFIELD PROPERTY PARTNERS)の3社連合が8110万ドル(約120億円)で入札。その後、連邦破産裁判所の承認を得て3社連合への売却が決定した。なお、米国における「フォーエバー21」の運営は、ABGとサイモンが設立した合弁会社スパーク・グループ(SPARC GROUP以下、スパーク)が行なっているが、「シーイン」は23年8月にスパークの株式のおよそ3分の1を取得。その際、スパークも「シーイン」の少数株主となっている。

ジェイミー・ソルター(Jamie Salter)ABG会長兼最高経営責任者(CEO)によれば、今回の提携は主にオンライン事業に関するものだが、実店舗での取り扱いを含めてさまざまな展開を考えているという。その一環として、すでにカリフォリニア州のショッピングモール、オンタリオミルズ(Ontario Mills)にある「フォーエバー21」の店内で「シーイン」のポップアップをを行い、大成功を収めたとコメント。「今後、さらにこうしたポップアップを増やしていく。また、『シーイン』の商品を(『フォーエバー21』の)店頭でも返品できるようにするなど、さまざまなアイデアを計画中だ」。同氏はまた、ABGが擁するほかのブランドと「シーイン」の提携も検討していると述べた。

ABGは、「フォーエバー21」に加えて、「リーボック(REEBOK)」「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「テッドベーカー(TED BAKER)」や、スポーツ月刊誌「スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)」など、さまざまなカテゴリーで多数のブランドを保有している。4月には「クイックシルバー(QUIKSILVER)」「ビラボン(BILLABONG)」「ロキシー(ROXY)」「DCシューズ(DC SHOES)」などを擁する米サーフウエア会社ボードライダーズ(BOARDRIDERS)を、6月にはラバーブーツで知られる英ブランド「ハンター(HUNTER)」の知的財産権を買収した。

常に傘下ブランドを増やすことを考えているというソルター会長兼CEOは、今後について、「当社の事業の25%はエンターテインメント関連だが、これを50%に引き上げたいので、特にキッズ向けのエンターテインメント企業の買収を検討している。アパレルでは、『チャンピオン(CHAMPION)』に関心がある。また、仮にVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)が傘下ブランドを手放すのであれば、それらの買収にも大いに関心がある」と述べた。VFCは「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁しているが、業績が芳しくないことから、“物言う株主”から傘下ブランドの見直しを迫られたと報じられている。

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