ファッション

「ボッテガ・ヴェネタ」2015-16年秋冬ミラノ レトロな色と柄で表現する個性ある着こなしの美

 「これはピーターと狼の物語。登場するそれぞれのキャラクターは、異なるオーケストラの楽器で表現されます。リラックスして座っていますか?それでは始めましょう(This is the story of Peter and the wolf.Each character in the tale is going to be represented by a different instrument of the orchestra. Are you sitting comfortably? Then I shall begin)———デヴィッド・ボウイが担当したセルゲイ・プロコフィエフの音楽劇「ピーターと狼(Peter and the Wolf)」のナレーションが流れ、ショーがスタートした。そのフレーズからも感じ取れるように、トーマス・マイヤーは“着る人の個性”を引き立てるためのワードローブ提案を試みた。

 今季のポイントは、大胆に用いられたパターンだ。まず目を引いたのは、オプアートのようなドット柄。メンズライクなトラウザーや膝上丈のスカートからシルクブラウスに重ねたベストやスクエアショルダーのコートまで、繰り返し用いることでアーティスティックなムードを表現している。また、ブラシで描いたような太いラインで構成する柄やコントラストのあるカラーブロッキングもそのムードを助長。黒と白に加えた、ティールブルーやグリーン、オレンジ、くすんだイエローなど色味でレトロ感を演出している。終盤には、黒地に白の細かいドット柄のセットアップやブラウス、真っ黒のスーツを披露。ぐっとシックな印象で、幕を閉じた。
バッグには、新作として“モナコ”が登場。前後に配したイントレチャートのパネルデザインが特徴で、堅さの異なるレザーのコンビを用いている。シューズはスクエアトーにフォーカス。複数のバックルやビジューを飾ったローファーやローヒールのブーツなどを黒や鈍いメタリックカラーで提案している。

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