ファッション

「ヴァレンティノ オート クチュール」2015年春夏 愛で包み込むラブレタードレス

 2015年春夏オートクチュール・コレクションは、「ヴァレンティノ オート クチュール(VALENTINO HAUTE COUTURE)」で幕を閉じた。全編に“LOVE”のメッセージを込めたコレクションは、一点の曇りもなく美しく、テロの直後の開催で少しの緊張感を保ち続けた観客の心を優しく包み込んだ。リリースにはデザイナー、マリア・グラツィア・キウリとピエールパオロ・ピッチョーリのからの「愛、大切に育むべきほどに壊れやすい秘密、議論や逆境を破壊する唯一の力」といったメッセージ。繊細で甘く、はかなげなドレスがこれほど強く見えるシーズンも珍しい。

 天使の羽根をかたどったような黒のベルベット・ドレスでショーはスタート。続く多くのルックがハイウエストにポイントを置いた、フォークロティックなドレスやコート、ジャンパースカートにスタンドカラーのブラウス、ベスト。ベージュ、白を基調に赤やオレンジの刺繍やパッチワークでハンドワークのぬくもりを加える。インスピレーションは愛をテーマに作品を作り続けたロシア出身でフランスを拠点に活動した芸術家、マルク・シャガール。どこかロシアを連想するのもそのためだろうか。

 もう一つのインスピレーションはイタリアで13世紀に起こった、愛をテーマにした文学運動「ドルチェ・スティル・ノーヴォ」だ。リネン、ガーゼ、ベルベットなど複数の天然素材を重ねたレイヤードルックは詩人が紡ぐ言葉の広がりをイメージしているという。度々登場するコルセットは“ハート”を守るため。最後はイタリア人ラッパー、ジョヴァノッティの歌が流れる中、愛の言葉を刺繍で施したドレスが登場した。

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