ファッション

「ジバンシィ バイ リカルド ティッシ」2015年春夏パリメンズ 現代のラグジュアリーストリートに欠かせない要素を凝縮

 「ジバンシィ バイ リカルド ティッシ」の2015年春夏コレクションは、ロンドンやミラノでも見られたネオ90年代のムードを、「ジバンシィ」ならではのゴスとテーラードを同居させてラグジュアリーに昇華した。モノトーンのテーラードジャケットの裾からインナーを少しだけ見せ、ワイドショーツとハイカットスニーカーを合わせるといったIラインを強調する90年代のリミックスレイヤードだ。メゾンならではの上質な素材と仕立てによって、品格漂うストリートスタイルにまとめている。モノトーンが中心だが、アクセントとして幅広のバンドやラインを随所に走らせた。

 リカルド・ティッシ流のラグジュアリーストリートには、90年代の着こなしを現代にブラッシュアップするキーディテールが随所に落とし込まれている。例えばオーバーサイズのトップスには、オーガンジーのように薄い素材を重ねることで、軽くてエレガントなレイヤードが一枚で完成。かつての重ね着は重みのあるグランジ感を漂わせていたが、現代ではよりクリーンな見た目と軽さが欠かせないポイントだ。それぞれの生地に異なるラインを走らせ、重ねていることを強調しつつ表情を豊かに見せている。トランスペアレントな素材は、重たくなりがちなレイヤードに軽さと抜け感を生み出すキーマテリアルになりそう。後半は、桜の花をプリントしてパールを散りばめたピースが相次ぐ。自然に着想したヘルシーなアイデアを盛り込むことで、強さの中に共感を誘う現代のラグジュアリーストリートを完成させた。

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