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特集 若きクリエイターの肖像

男性誌「グラインド」の元銀行員の編集長 破産から再起【特集:若きクリエイターの肖像】

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川田周平(かわだ・しゅうへい)/編集者 プロフィール

1994年生まれ、埼玉県出身。青山大学経営学部経営学科を卒業後、りそな銀行に入行。1年の勤務を経て2018年にミディアムに入社。メンズストリート誌「グラインド」編集部に配属される。20年にミディアムが破産し、同年に広告代理店兼編集・制作プロダクションのトライアウトが出版事業を譲受。スケジュールを年10回刊から年2回発刊に変更し、20年秋に再始動した。前編集長の本田圭佑の後任として現職に就任

メンズストリート誌「グラインド(GRIND)」の川田修平・編集長は、元銀行員という異色の経歴を持つ。中学時代に服が好きになり、雑誌を読みあさったが、あくまで趣味の一つだった。大学は「つぶしが利きそうだから」と経営学部に入り、友人と同じように就活して、2017年に銀行に入行。銀行では法人向けの融資などを担当したが、組織内の昇格争いを間近で見て、「肌に合わない」と1年で退職を決めたという。(この記事は「WWDJAPAN」2023年7月17日号からの抜粋です)

未経験で編集の道へ
破産を経ても信じた雑誌の価値

何をやろうか考えていると、“編集”という職が浮かんだ。「兄が雑誌の編集をしていて、そういう仕事があるとは認識していた」。未経験でも入社可能な出版社ミディアムに応募し、6月に転職した。

編集の世界は何もかもが新鮮だった。「私服で、自由に休めて、効率を度外視した働き方。こんな世界があるのかと驚いた(笑)。でも、意外と心地よかった」。当時の編集長は、未経験の川田に裁量を持たせてくれたものの、川田自身はストリートのカルチャーにどっぷり浸かっていたわけではない。編集部で「それってストリートなの?」と耳にすると、「ストリートってなんだよ」と思うこともあった。ただ、「現場で人の話を聞くのは楽しかった」。

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