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職人が正しく評価される社会へ 「ファクトリエ」山田CEOが掲げる大義【メード・イン・ジャパン特集】

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 ライフスタイルアクセント(熊本市、山田敏夫CEO)が運営する「ファクトリエ」は日本各地の工場とつながり、匠の技術を生かした服・雑貨を適正価格で販売するECプラットフォームだ。2012年の立ち上げから取引先工場は60へ、彼らと協業して作るオリジナルブランドの商品は1000品番以上に増えた。

 オリジナルブランド「ファクトリエ」の商品はデザインはシンプルだが、「驚くほど軽い」「超撥水」といった個性が光る。商品ページは、職人の仕事ぶりや思いなどを掘り下げた記事コンテンツが奥行きを生む。

工場の技術を生かした“尖った”商品ほど売れる

 累計数千、数万と売れたヒット商品も生まれた。「絶対に汚れがつかない」と山田CEOが太鼓判を押すのは、岡山・倉敷のレッドリバーと開発した白のコットンパンツ(1万3200円、現在リニューアルにつき販売休止)。綿100%ながら超高密の織りで、コーヒーなどの汚れをはじく。そのほかの人気商品は、ニット工場UTO(岩手県)の希少なホワイトカシミヤを使ったマフラー(2万6400円)や、石川の繊維企業カジグループの極薄ナイロンを使った「世界最軽量レベル」のマウンテンパーカ(1万9800円)など。「工場の得意技が生きた“尖った”商品ほど売れる」と山田CEO。

 高い技術を持つ反面、「売れる商品」を作るノウハウがない工場は多い。「ファクトリエ」にはアパレル出身者で構成する企画開発チームがある。工場に足を運び、技術や設備など他の工場にはないアセットを洗い出し、膝を突き合わせてオリジナル商品を開発する。

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