ファッション

故アルベール・エルバス設立の「AZファクトリー」、無名の若手デザイナーをゲストに迎えてショーを開催へ

 ファッションデザイナーの故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)氏が立ち上げたブランド「AZファクトリー(AZ FACTORY)」は、2023年春夏パリ・クチュール・ウイーク期間中の1月23日、“シアトリカルな”ショーを開催する。このショーでは、ジュネーヴ造形芸術大学(Geneva University of Art and Design)を卒業したばかりのフランス人デザイナー、テネシー・ソーソン(Tennessy Thoreson)による12ルックを披露する。コンセプトは、“スーパーヒロインと彼女たちの特別なパワー”だという。

 「AZファクトリー」は、19年にエルバス氏が「カルティエ(CARTIER)」や「クロエ(CHLOE)」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)とジョイントベンチャーを設立して立ち上げたブランド。「ランバン(LANVIN)」のアーティスティック・ディレクターを14年間務めた同氏が、約5年ぶりに自身でクリエイティブを手掛けるブランドとして大きな話題となったが、21年1月にデビューコレクションを発表した3カ月後に同氏が死去。10月にはトリビュートショー、“ラブ・ブリングス・ラブ(Love Brings Love)”が行われ、45組の著名デザイナーがエルバス氏へのオマージュを捧げるルックを披露した。

 その後、「AZファクトリー」はゲストデザイナーを招へいし、年6回のプレゼンテーションを開催すると発表。これまでに「テベ・マググ(THEBE MAGUGU)」「エスター・マニャス(ESTER MANAS)」「シリル・ブレ(CYRIL BOUREZ)」「ルッツ ヒュエル(LUTZ HUELLE)」などのほか、イタリアのDJ集団クラブ・ドマーニ(Club Domani)と協業している。

 今回ゲストに迎えるソーソンは、在学中に「クロエ」で経験を積み、現在は「パコ ラバンヌ(PACO RABANNE)」でインターンをしているが、自身のブランドはまだ立ち上げていない。しかし、リシュモンの幹部であるマウロ・グリマルディ(Mauro Grimaldi)は、ソーソンの技術力や独特の美学、女性やクィアな人々へのエンパワーメント、多様性、喜びなどを表現するストーリーテリングのスキルなどに感心したという。「彼のファッションや社会に対するビジョンはとても鮮明で、“今”を捉えている。それと同時に、エモーショナルなコミュニケーションの取り方を心得ていて、デザイナーとして成功する要素を多く兼ね備えている」。また「AZファクトリー」で発表する作品についても、「“ヒロイン”を掲げたテネシーのアイデアは、アルベールのフィロソフィーの柱の1つである“服は外部の世界からの盾となれる”という考えと深く共鳴しており、それぞれのルックがスーパーパワーを持っている」と評価する。これらのアイテムはカスタムオーダーで販売する予定だ。

 グリマルディはまた、「リシュモンはテネシーのような若手がデザイナーとしての最初の夢を実現できるよう可能性を提示し、自身のコレクション制作に向け初期段階から立案するようにしている。われわれにとっても、将来業界のリーダーとなりうる彼らとの対話から得られるものが多くあると感じている」と語った。

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