
スターバックス コーヒー ジャパンが、日本上陸30周年を迎える2026年に新たな地域共創の取り組み「STARBUCKS JIMOTO PROGRAM」を始動する。8月5日から青森県、群馬県、沖縄県の3地域でスタートし、地域ならではの自然や文化、産業などに着目した活動を展開。その土地の魅力を詰め込んだ限定ビバレッジやグッズも通年で販売する。
今回は、プログラムの発表会で一足早く各地域のビバレッジを試飲。青森県産りんごを使ったフラペチーノから、群馬の“上毛三山”を表現した3色のフラペチーノ、沖縄県産黒糖を使ったミルクコーヒー&ミルクティーまで、地域の取り組みとともにその味わいを紹介する。
「STARBUCKS JIMOTO PROGRAM」って何?

「STARBUCKS JIMOTO PROGRAM」のポイントは、単に“ご当地限定商品を販売する”ためのプロジェクトではないこと。日本各地の自然、文化、歴史、産業といった地域の魅力や強みを生かしながら、地域住民や自治体、さまざまなパートナーと連携。その価値を次世代へつなぎ、地域の活性化や持続可能な地域社会を目指していく。
スターバックスはこれまでも各地で地域に根差した活動を行ってきたが、今回のプログラムでは、それらをさらに深めて継続的に展開する。その第一弾となるのが青森県、群馬県、沖縄県。各地域で以前から続けてきた活動をベースに、地域ならではのビバレッジやグッズなども開発した。つまり、新作を飲むこと自体が、その土地の文化や産業、自然を知る一つの入り口になるというわけだ。では、実際にどんな取り組みや商品が登場するのか。発表会での試飲とともに見ていこう。
群馬県 “森”とつながり、上毛三山を味わう
「森のスターバックス」で間伐材を新たな価値へ
群馬県で象徴となるのが、みなかみ町と取り組む「森のスターバックス プロジェクト」だ。スターバックスは25年4月に「利根川源流から始める豊かな森林と人を育む連携協定」を締結。みなかみ町森林活用協議会の協力のもと、従業員が地域の人々と森林整備活動に取り組み、これまでに延べ300人が参加している。
活動は森を整備するだけにとどまらない。流通しにくかった間伐材を活用した建材の耐久試験や、群馬県内の店舗から出たコーヒーかすと森の素材を組み合わせた堆肥づくり、山から採取した苗を県内17のドライブスルー店舗で育て、再び森へ戻す「山どり苗の保育園制度」などにも挑戦する。
そして今回、そんな群馬をビバレッジで表現したのが、県民に親しまれてきた「上毛三山」をモチーフにした3種類のフラペチーノだ。
群馬 やっぱし赤城山なんさ
ストロベリー ヨーグルト フラペチーノ 820円
赤城山を表現するのは“赤”。群馬県産の飲むヨーグルトをベースに、ストロベリーソースを合わせた。実際に飲んでみると、ストロベリーソースのほどよい酸味が、甘みのあるベースと好バランス。ヨーグルトのまろやかなコクがストロベリーの甘酸っぱさを包み込み、デザート感がありながらも爽やかに楽しめる
群馬 やっぱし榛名山なんさ
キウイ ヨーグルト フラペチーノ 820円
“緑”で榛名山を表現した一杯には、キウイフルーツソースを使用。口に含むとキウイならではの甘みと香りがふわっと鼻へ抜け、3種類の中でもみずみずしい印象だ。ヨーグルトのコクがありながら、後味は爽やか。暑い季節にも手が伸びそうな味わいに仕上がっている。
群馬 やっぱし妙義山なんさ
パイン ヨーグルト フラペチーノ 820円
妙義山をイメージした“黄色”の一杯にはパインソースを合わせる。3種類を飲み比べた中では、特に酸味が印象的。パインのジューシーな風味と爽やかな酸味がヨーグルトのまろやかさを引き締め、すっきりとした飲み心地を楽しめた。
3種類に共通する群馬県産の飲むヨーグルトは、まろやかでコクがありながら、主役となるフルーツの個性を邪魔しない名脇役。赤、緑、黄色と見た目にも鮮やかなので、味で選ぶのはもちろん、“推しカラー”で選んでみるのも面白い。各820円(店内利用、テイクアウト805円)、トールサイズのみ。8月5日から通年販売予定で、店舗によって販売するフレーバーが異なる。
群馬 森とつながるタンブラー 355ml 3600円

「森のスターバックス」の取り組みは、ドリンクだけではない。登場する“群馬 森とつながるタンブラー”は、森林整備の過程で生まれたみなかみ町の間伐材を活用。木粉とポリプロピレンから作られており、クラフト感のある表情に仕上げた。
背面には、みなかみの自然や歴史、文化を「まもり、いかし、ひろめる」活動を示すみなかみユネスコエコパークのロゴマークもあしらわれている。価格は3600円。群馬県内のスターバックス店舗(一部を除く)で8月5日から通年販売予定だ。
青森県 “りんご愛”から生まれた一杯
「青森りんご隊」が産地と店舗をつなぐ
青森県で中心となるのが、スターバックスの従業員による「青森りんご隊」だ。19年に弘前市内の従業員によって結成され、「全国の産業や地域を元気に!まずは青森から!」を掲げて活動。現在では県内全店舗へと輪が広がっている。
25年には、青森県内の従業員が年間を通してりんご栽培を体験。生産者や行政から話を聞くだけでなく、自ら栽培に携わることで得た知識や実感を、店舗での情報発信へとつなげている。また、津軽地方の店舗では17年から青森の伝統工芸「津軽びいどろ」を販売。制作を手掛ける北洋硝子との交流も続け、県内全店舗では希望者に一部のアイスドリンクを津軽びいどろで提供する活動も行っている。
青森 やだらめぇりんご
アーモンドミルク フラペチーノ 840円
そんな“青森のりんご愛”を詰め込んだのが、「青森 やだらめぇりんご アーモンドミルク フラペチーノ」だ。青森県産りんごをふんだんに使用し、アーモンドミルクベースにりんご果肉、さらにキャラメルソースを組み合わせる。
まず印象に残ったのが、りんごのシャキシャキとした食感。ドリンクでありながら、りんごそのものを食べているような存在感があり、りんご好きにはたまらない一杯だ。アーモンドミルクの香ばしい風味もアクセントになり、フルーティーで爽やかながら、味わいにはしっかりとコクがある。甘さも重たすぎず、想像以上にすっきりと楽しめた。
ちなみに「やだら」は主に南部地方で「すごく」「とても」、「めぇ」は津軽地方や下北地方などで「おいしい」を意味する言葉。異なる地域の言葉を一つの商品名にすることで、“青森全体のおいしさ”を表現している。価格は840円(店内利用、テイクアウト825円)、トールサイズのみ。青森県内の全店舗で8月5日から通年販売予定だ。
沖縄県 “ゆいまーる”と黒糖を次世代へ
ビーチクリーンのごみが「ゆいまーるアート」に
沖縄県のキーワードは、沖縄の言葉で「相互扶助」「助け合い」を意味する“ゆいまーる”。スターバックスは2002年の那覇国際通り店のオープン以来、ビーチクリーンやコーヒー農園の手伝いなどを地域住民と続けてきた。
今回、その象徴として誕生したのが「ゆいまーるアート」だ。県内の従業員と地域住民が沖縄の海岸で回収したプラスチックごみを素材に、アーティストが小さな魚のオブジェを制作。第1弾として県内12店舗に、それぞれ異なる「ミニフローミー」を設置し、今後順次展開を広げていく。一見かわいらしい魚のアートの背景には、沖縄の豊かな自然を未来へ残していくというメッセージが込められている。
そして、ビバレッジでは沖縄で親しまれてきた沖縄県産黒糖にフォーカスした。
沖縄 まーさん黒糖 フローズン ミルクコーヒー 740円〜
カップの底と仕上げに沖縄県産黒糖を入れ、フローズン状のミルクとアイスコーヒーを重ねた一杯。手元に届いた瞬間から、黒糖の香ばしい香りがふわりと漂う。飲んでみると、コーヒーの心地よい苦味と黒糖のコク深い風味が好相性。フラペチーノよりもさらりと飲みやすく、暑い沖縄の夏にもぴったりだ。
ミルクコーヒーのやさしさがありながら、黒糖によって味わいに奥行きが生まれているのも印象的。店舗で提供するアイスコーヒーによって風味が少しずつ変わるというから、訪れるたびに違った組み合わせを楽しめるのも面白い。価格は店内利用でトール740円、グランデ785円、ベンティ830円。8月5日から通年販売予定だ。
沖縄 まーさん黒糖 アイスミルクティー 640円〜
もう1つ試飲したのが「沖縄 まーさん黒糖 アイスミルクティー」。ブラックティーとミルクに沖縄県産黒糖を合わせた一杯で、ミルクティーの華やかな香りに、黒糖ならではの深いコクが加わることで、より立体的な味わいに。黒糖のシャリシャリとした食感も残しており、単なる黒糖風味のミルクティーではなく、香り、コク、食感まで楽しめる。
価格は店内利用でトール640円、グランデ685円、ベンティ730円。こちらも沖縄県内の店舗(一部を除く)で8月5日から通年販売予定だ。
ご当地ドリンクの、その先へ
今回6種類のビバレッジを飲んでみて感じたのは、単に「地域限定だから飲んでみたい」で終わらない面白さだ。
青森の一杯には、りんご産地と関わり続けてきた「青森りんご隊」の活動がある。群馬の3杯の背景には、みなかみの森とのつながりと、県民が親しんできた上毛三山がある。そして沖縄の黒糖ドリンクの先には、ビーチクリーンや“ゆいまーる”の精神がある。
地域の魅力を商品に落とし込むだけではなく、その土地で続けてきた活動と商品をつなげていることが「STARBUCKS JIMOTO PROGRAM」の特徴なのだろう。しかも、いずれも現時点では期間限定ではなく通年販売予定。旅先でスターバックスに立ち寄り、その土地でしか飲めない一杯から地域を知る。そんな新しい楽しみ方も生まれそうだ。