ファッション

菅付雅信連載「不易と流行のあいだ」 政治がファッションになる時

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 ファッションという「今」にのみフォーカスする産業を歴史の文脈で捉え直す新連載。25回目は政治とファッションの新たな関係を考察する。編集協力:片山マテウス(この記事はWWDジャパン2020年11月9日号・11月23日号からの抜粋です)

 今年のファッションアイコンの代表格はモデルではなく、カマラ・ハリスとジャナヤ・フューチャー・カーンに決定だろう。ハリスは米大統領選における民主党の副大統領候補者。カーンはブラック・ライブズ・マター(BLM)運動の中心人物だ。この2人が欧米のファッションメディアに大きく露出している。

 カマラ・ハリスは黒人女性でかつインド系の血を引く上院議員。“アメリカの篠山紀信”である著名写真家のアニー・リーボヴィッツによって撮影されたポートレートとともに記事が米「ヴォーグ」8月号に掲載された。つまり彼女は“イン・ヴォーグ”(流行中)なのだ。ここでハリスは新しい女性リーダーであり文化的アイコンとして取り上げられている。

 このように以前にファッションメディアで“流行中”だったファッション領域ではない女性にはミシェル・オバマがいる。彼女は2008年から16年の8年間でなんと12回もファッション誌の表紙を飾ったのだ!中でも米「ヴォーグ」の、ホワイトハウス内で撮影されたファッションストーリー(これまたアニー・リーボヴィッツが撮影)は賛否両論を呼んだが、このように米「ヴォーグ」が民主党支持であることは明らかだ。アナ・ウィンター米「ヴォーグ」編集長も以前から民主党派だと表明しており、今回の大統領選でもジョー・バイデン大統領候補の支持を公言している。

 もう1人の今年のファッションアイコン、ジャナヤ・フューチャー・カーンは、カナダ・トロント拠点の活動家。14年に始めたBLM運動の国際アンバサダーという肩書きを持ち、オピニオンリーダーであり、ノンバイナリー(男女の性別に当てはまらない性)を公言している。最近ではアメリカの「V マガジン」、イギリスの「デイズド & コンフューズド」「アナザーマガジン」などの名だたるファッション誌の表紙を飾っている。

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