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米大統領選、投票日翌日も店は暴動を警戒して板張りや臨時休業 「ルイ・ヴィトン」や「ティファニー」も

 米大統領選は、投票日の翌日である11月4日(現地時間)現在も開票作業が続けられているが、全米各地では投票結果に関連した暴動や略奪行為を恐れ、百貨店や小売店などが店舗を休業したりショーウィンドーを板張りにしたりして引き続き警戒を強めている。

 ニューヨークでは、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「シャネル(CHANEL)」「カルティエ(CARTIER)」「ブルガリ(BVLGARI)」「プラダ(PRADA)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」などのラグジュアリーブランドや、「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」「ナイキ(NIKE)」などのアパレルおよびスポーツブランド、百貨店のバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)やブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE'S)が4日もショーウィンドーを板張りにした。またこうした高級店が軒を連ねる五番街では、大勢の警察官が店舗を囲むようにして並び警戒にあたっている。

 同じく百貨店のサックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)は、ショーウィンドーを板張りにしたことに加えて、24時間体制で店内を見回るガードマンを配置。こうしたセキュリティー対策に、一時間でおよそ1000ドル(約10万円)の費用がかかっているという。

 一方、百貨店のノードストローム(NORDSTROM)は、投票日の3日(現地時間)には午後5時と早い時間に閉店したものの、翌日からはショーウィンドーを不透明にするシートを張るなどの安全対策を取った上で通常通りに営業している。また「ザラ(ZARA)」と「ティンバーランド(TIMBERLAND)」は窓を板張りにしているが、出入り口に営業中であることを示す看板を立てている。

 ロサンゼルスでも、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」などのラグジュアリーブランドや、百貨店のニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)、高級ブランドの中古品を扱う会員制ECサイト「ザ・リアルリアル(THE REALREAL)」の店舗などが板張りをした上で4日も休業。「シュプリーム(SUPREME)」は、窓に板張りをして営業を続けている。

 シカゴでは、「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」「プラダ(PRADA)」「ヴェラ・ウォン(VERA WANG)」が一時的な休業措置を取っている。

 ミネソタ州ミネアポリスで5月25日に、黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)氏が白人の警察官に首を押さえつけられて死亡した事件を受けて、全米で抗議運動が起きたことは記憶に新しい。大半のデモは平和的に行われていたものの、一部の参加者が暴徒化したり、混乱に乗じた武装市民らが略奪を行ったりしたことで被害に遭った小売店が多く見られた。

 今回、百貨店やラグジュアリーブランドなどが投票日の前後に厳戒態勢を取っているのは、共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が再選を果たすにせよ、民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領が政権を奪還するにせよ、それぞれの支持者の間で緊張が高まることは避けられないと予想してのことだが、幸いなことに現時点で暴動などは起きていない。またコロナ禍による店舗の一時休業からようやく営業を再開したところで、売り上げ回復の期待がかかるホリデー商戦の出鼻をくじかれるのは非常に不本意だったと思われるが、ECは引き続き好調だ。

 米アドビ(ADOBE)の調査によれば、投票日の前日である2日(現地時間)におけるECの売上高は全米で前年同日比31%増の22億ドル(約2288億円)、当日の3日は同27%増の20億ドル(約2080億円)に達している。また調査対象となった80の大手小売店は、選挙の終了後に消費者の購買意欲がさらに高まると見込んでいるという。

 アドビ・デジタル・インサイツ(ADOBE DIGITAL INSIGHTS)のテイラー・シュレイナー(Taylor Schreiner)=ディレクターは、「過去のデータを見ると、ECの売り上げは投票日の翌日に落ち込むことが多い。しかし投票結果が発表されて事態が落ち着くにつれて、ホリデー商戦も持ち直すことが予想される」と語った。

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