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“パジャマルック”の進化が止まらない! 着こなしの秘訣は細部にあり

 コーディネートを考えなくてもすむうえ、スーツより楽に過ごせるセットアップはメリットがいっぱいです。近ごろはさらにバリエーションが広がり、パジャマ風で着映えするアイテムも登場しています。その先駆けとなったのは、2013-14年秋冬のパリコレクションで発表された「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のショーでした。当時は斬新でしたが、“パジャマ風”は今や一つのジャンルとして定着しつつあるようです。

 たとえば、「マリメッコ(MARIMEKKO)」の2020-21年秋冬コレクションでは、艶めいたシルバー調のワントーンで、ゆるっと仕立てたパジャマ風のセットアップが披露されました。スカーフとミニトートショルダーバッグもコーディネートして、“ゆったり感”と“きちんと感”を兼ね備えました。シーンを選ばずに着こなしやすいパジャマ風セットアップは、さらに支持を広げていきそうな気配。2020-21年秋冬コレクションから魅力的なルックを集めてみました。

エキゾチックなヘッドアクセサリーで異国気分を演出

 パジャマ風セットアップを上手に着こなすポイントは、「いかにも寝間着っぽく見せない」というアレンジです。「ルリ(RURI.W)」のシャツとパンツのセットアップは、細かいチェック柄が一見パジャマにも見えがちですが、細かいディテールに遊びが利いていて、純粋なパジャマとは異なる印象。パンツの裾はくしゅっと絞ってあり、ジョガーパンツ風にアレンジされています。

 さらに、頭に巻いたヘッドアクセサリーがエキゾチックなムードを演出。ヘッドアクセの選び方次第で、装い全体の雰囲気を変えられます。通常、寝るときは頭につけないはずのキャップやカチューシャなどの意外性が強い小物を使うことで、手軽にイメージチェンジを図れます。

パールモチーフのネックレスでエレガントに格上げ

 エレガントな雰囲気を濃くすると、パジャマ風に見えにくくなり、活用できるシーンもランクアップします。「フミエ タナカ(FUMIE TANAKA)」はいかにも着心地がよさそうなプルオーバーとパンツのセットアップを提案しました。

 シンプルな装いに気品を添えているのは、何連にも重ねたパールモチーフのネックレス。ゆったりしたフォルムのセットアップとリュクスなネックレスという組み合わせが、ミニマルなセットアップをゴージャス感ある雰囲気に格上げしています。手軽に気分を上げられる“プラスワン”のスタイリングは試しがいがありそうです。

ジェンダーレスな装いに抜け感をプラス

 パジャマの特徴の一つが全身をくるむようなシルエット。体のラインを強調しない、ジェンダーレスなアイテムとも言えるでしょう。そこで適度に素肌を露出すると、くるまれ感が薄れて大人っぽくまとえます。「ローブス アンド コンフェクションズ(ROBES & CONFECTIONS)」のセットアップは、そのまま横になりたいほど、リラックス感が高いアイテムです。

 オーバーサイズのセットアップは、体を締め付けない着心地が部屋着にぴったり。でも、首元のジップ使いやパンツのワイド感など、細かいところに目配りが利いていてルーズに見えません。デコルテと足首でチラリと素肌をのぞかせ、控えめにフェミニンさも薫らせました。

レディーライクなボウタイ使いで“リモート映え”

 「ルプコ(RPKO)」のグリーン地セットアップは、トレンドの“ネイチャー”ルック。襟元にリボンをあしらい愛らしさをプラスして、“ボーイ・ミーツ・ガール”的なスタイリングに導きました。

 リボンをちゃんと結ぶだけで“きちんと感”が加わります。パンツ裾にはフリルが添えてあり、足を動かすたびに揺らめく仕掛け。パジャマ風コーデにリボンを生かすのは、“リモート映え”効果も見込める簡単テクニックです。

 シーズンレスやシーンフリーなど、服の“居場所”を固定しないトレンドが一段と浸透してきました。従来は部屋の中で、それも最もプライベートな寝室で着るパジャマは“門外不出”のウエアでしたが、近年は街着に出世。パジャマ風のセットアップなら、部屋の内外を着替えなしで自在に行き来できそう。リラックスとおしゃれがダブルでかなうから、“部屋ごもり”の流れを追い風に、“外パジャマ”を試してみる価値はありそうですね。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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