ファッション

英ラグジュアリーECがコロナ禍で苦悩する新進デザイナーを支援

 イギリス・ロンドンを拠点にラグジュアリーECサイトを手掛けるマッチズファッション(MATCHESFASHION以下、マッチズ)は、新進デザイナーズブランドの支援を目的としたプログラム「イノベーターズ(THE INNOVATORS)」を立ち上げた。9月から1年間にわたり、総額180万ポンド(約2億5000万円)に上るマーケティング支援をはじめ、ビジネスのメンタリングや優遇支払い条件の提示といった実務的なサポートを対象ブランドに提供する。また、マッチズのECサイトでのオリジナルコンテンツの配信も行う。

 “ユニークで力強いDNA”という基準によって世界中から支援対象に選ばれたのは、「アートスクール(ART SCHOOL)」「アルワリア(AHLUMALIA)」「チョポヴァ ロウェナ(CHOPOVA LOWENA)」「ステファン クック(STEFAN COOKE)」「ジェルマニエール(GERMANIER)」「ハルパーン(HALPERN)」「ハリス リード(HARRIS REED)」「チャールズ ジェフリー ラバーボーイ(CHARLES JEFFREY LOVERBOY)」「テベ マググ(THEBE MAGUGU)」「ルドヴィック デ サン サーナン(LUDOVIC DE SAINT SERNIN)」「ビアンカ サンダース(BIANCA SAUNDERS)」「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」の12ブランド。「LVMHプライズ」をはじめとするコンテストのグランプリ受賞者やファイナリストなど将来の有望株がそろう。すでに11ブランドがマッチズで取り扱われており、新進ブランドを早くから買い付けている同社らしい取り組みと言えるだろう。

 同プログラム発足のきっかけとなったのは、新型コロナウイルスの感染が拡大する中でマッチズのチームが聞いた若きデザイナーたちの苦悩。困難な状況下で自らのブランドをどのように成長させていけるかが見えなくなった彼らには、実務的なサポートと継続的なコミットメントが必要だと考えたという。アジェイ・カヴァン(Ajay Kavan)最高経営責任者は、「マッチズのお客さまには私たちがキュレーションするファッションを楽しんでいただいている。その中には新進デザイナーを求めている方も多い。私たちの成功は新しい才能との確かなパートナーシップに根差しており、多くの才能あるデザイナーと協力し合えることを幸いに思う」とコメント。また、ナタリー・キンガム(Natalie Kingham)=バイイングディレクターも、「クリエイティブ業界にとって厳しい時期であるこの年に、『イノベーターズ』プログラムを通して才能ある新進デザイナーたちへのサポートを実現できることがうれしい。このプログラムは、彼らのビジネスの将来を確かなものにするために役立つだろう」と話す。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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