ビューティ

パリ老舗百貨店ル・ボン・マルシェに新たな“美のメッカ”誕生 メイクアップ中心の美容コーナー開設

 新型コロナウイルスによる経済への影響が続くフランスだが、パリの百貨店では新しい美容コーナーが続々と誕生し、活気を取り戻しつつある。

 パリ左岸の老舗百貨店ル・ボン・マルシェ(LE BON MARCHE)は、メイクアップを中心とした美容コーナー「ラトリエ・マキアージュ(L’Atelier Maquillage)」を6月上旬にオープンさせ話題を呼んでいる。売り場は本館2階にあるレディースファッションフロアの中央に300平方メートルの広さを誇り、壁一面を700個の顔料瓶で装飾されている。「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」「NARS」「バイテリー(BY TERRY)」が1階から移設されたほか、「ラ ブーシュ ルージュ(LA BOUCHE ROUGE)」「キュアバザー(KURE BAZAAR)」や、フランス初上陸の「スック(SUQQU)」とイギリスの眉毛ケア専門店「ブリンク・ブラウン・バー(BLINK BROWN BAR)」がエクスクルーシブで加わり、8つのメイクアップブランドを展開する。

 フランスに初上陸を果たした「スック」は、欧米人の肌にも対応する豊富なカラーバリエーションのファンデーションやアイシャドウ、リップなどのメイクアップとスキンケアラインがそろう。日本で人気の顔筋マッサージ専用クリーム「デザイニング マッサージ クリーム」88ユーロ(約1万600円)も取り扱う。売り場奥には施術ルームを完備し、顔筋フェイスケアが30分55ユーロ(約6600円)、顔筋フェイスケアにメイクアップがついたメニューが60分80ユーロ(約9600円)で受けられる。現在は直接肌に触れる施術が許可されていないが、再開後の予約リストは数カ月分がすでに埋まっているという。

 フランスで初登場となる「ブリンク・ブラウン・バー」は、イギリスでは百貨店のハーヴェイ・ニコルズ(HARVEY NICHOLS)やセルフリッジズ(SELFRIDGES)をはじめブロウバーを28店舗構える。古くから伝わるインドの毛髪除去技術をベースにした、糸を使用する眉毛カットが22ユーロ(約2600円)で受けられる。インド・スリランカ発祥の伝統医療であるアーユル・ヴェーダに基づいて目の周りをマッサージし、眉に栄養を与えるオイルを塗って、顔の形に合ったデザインに眉カットを施す。ブロウバーの店舗内では眉ケアやメイクアップ製品などを購入することもできる。

 そのほかにカラーのオーダーメイドが可能で詰め替え式のサステナブルな商品を展開する高級リップブランド「ラ ブーシュ ルージュ」や、USDA認証を得たオーガニック原料を使った詰め替え式ビーガンリップを発売した「キュアバザー」も取り扱う。さらに9月にエクスクルーシブで「シャーロットティルブリー」を導入する予定だ。

 美容部門ディレクターのアクセル・ロワイエール(Axelle Royele)は「2015年にオーガニックとニッチ美容をメインにしたコーナーをスタートして以来の新プロジェクトだ。メイクをする喜び、革新、色の専門家によるサービスを最大限に感じられる空間作りに挑んでいる。昨今のお客さまは商品を求めているのではなく、センスや体験を求めている。メイクをすることでポジティブなエネルギーを作ることが今の時代に必要」と語る。同百貨店の化粧品フロアは1階がメインでメイクアップ、スキンケア、フレグランスを展開している。15年にオーガニックとニッチ美容を集めたコーナーを2階にオープン。今回は2階のウィメンズファッション売り場の中に新たに美容コーナーを開設した。周囲はデザイナーズブランドやスポーツウェア、ランジェリーの売り場に囲まれている。

 さらにパリ右岸のギャラリー・ラファイエット(GALERIES LAFAYETTE)本店でも新たにクリーンビューティに特化したコーナーをスタートさせている。フェイスヨガをはやらせた、サプリメントとスキンケアのブランド「ホリデルミ(HOLIDERMIE)」、上質なオイルに特化したイギリスのブランド「ヴォタリー(VOTARY)」、アルプスの薬草をベースにしたスイスの「スーザン・カウフマン(SUSANNE KAUMANN)」など約20ブランドを取り扱う。

 当分は外国人観光客が訪れない環境下、百貨店ではコロナ疲れのフランス人の心をつかむ新たな取り組みが求められているようだ。

須山佳子/コンサルタント:2001年に渡仏しMBAを取得。ファッション業界で働き、09年に日本の美容ブランドを欧州市場へ売り込むコンサルティング会社設立。取引先は欧州の高級百貨店、美容ストア等。パリ市内でポップアップストア「Bijo;」主宰

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