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バーバリー、20年1〜3月期は27%減収 中国などアジアでは回復の兆し

 バーバリー(BURBERRY)の2020年3月通期決算は、売上高が前期比3.2%減の26億3300万ポンド(約3449億円)、営業利益は同56.7%減の1億8900万ポンド(約247億円)、純利益は同64.0%減の1億2200万ポンド(約159億円)だった。営業利益と純利益の大幅な減少は、主に新型コロナウイルスに関連した修正項目によるもの。

 なお19年度からは国際会計基準IFRSのリース会計において新基準(IFRS 16)が適用されるため、バーバリーもこれに準拠して全てのリース取引を「使用権資産」および「リース負債」として計上している。旧会計基準では、営業利益は同63.3%減の1億6000万ポンド(約209億円)、純利益は同64.9%減の1億1900万ポンド(約155億円)となる。

 同社は3月19日に「新型コロナウイルスの影響に関するアップデート」というプレスリリースを発表しており、過去6週間の売り上げが前年同期比40〜50%減であること、また3月後半における既存店ベースでの売上高が同70〜80%減になると予想されることを述べていた。これらを踏まえて、20年1〜3月期(第4四半期)の売上高は同じく既存店ベースでおよそ30%減になると見込んでいたところ、同27%減とほぼ予想通りの結果となった。

 地域別の売上高では、アジア太平洋地域が前期比5.7%減の10億4050万ポンド(約1363億円)、欧州・中東・インド・アフリカは同0.3%増の9億6060万ポンド(約1258億円)、南北アメリカは同4.4%減の5億8490万ポンド(約766億円)だった。

 マルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)最高経営責任者(CEO)は、「当社の新型コロナウイルスへの対応を誇らしく思っている。従業員と顧客の安全と健康を最優先しつつ、事業への影響を最小限にするべく迅速に行動したため、財務状況は健全で手元資金も8億8700万ポンド(約1161億円)と余裕がある。ソーシャルメディアなどの新たな方法で、顧客とのつながりをさらに強化することもできた」とアナリスト向けの決算発表会で語った。

 同社は今後を見据えて運営費用を抑えるため、経営陣の報酬カットや業績に連動した昇給の凍結、配当の中止、コスト削減などを行っているが、一時解雇した従業員への給与支払いは政府に頼ることなく自社でまかなった。

 事態の収束時期や経済への長期的な影響を予想することが難しいことから、同社は20年度の業績見通しは発表していない。しかし5月22日の時点で世界中の店舗のおよそ半数が休業しているため、20年4〜6月期(第1四半期)の業績に大きな影響が出ることは避けられないという。一方で、「アジア地域の一部ではすでに売り上げ回復の兆しが見えているし、この危機を乗り越えるための準備はできている。そのためにも、ラグジュアリー業界における『バーバリー』の存在感をいっそう確かなものにすることが重要だ」とゴベッティCEOは述べた。

 外出制限が緩和されたとはいえ、当面は観光客による売り上げが見込めないこと、また景気や消費動向が各地域で異なることから、同社は地域ごとにローカライズされたマーケティング戦略を取るという。アジア市場が一足早く回復しているため、まずはアジアに注力するが、ほかにも復調のサインが見える市場があればすぐに対応する。

 ここ数週間、同社は中国版インスタグラムとして人気のSNS型ECアプリ「シャオフォンシュウ(Xiaohongshu、小紅書、通称RED)」でライブ配信を実施しているほか、中国のインフルエンサー、ミスターバッグ(Mr. Bags)とのコラボレーションや、中国での特別キャンペーンを行っている。また今夏には、中国のSNSウィーチャット(微信、WeChat)を擁するインターネットサービス会社大手のテンセント(騰訊、TENCENT)と提携し、深センに“ソーシャルリテールショップ”をオープンする予定だ。ゴベッティCEOは、「これは実店舗とECを融合させる当社初の試みで、ショッピングの新たな方法を実験する場でもある」と説明した。なお、バーバリーの売り上げの40%を中国市場が占めている。

 同社は韓国市場にも注目しており、新たな事業機会を得るべく現地メディアや百貨店と提携したキャンペーンを実施。5月5日の「子どもの日」や同8日の「両親の日」では贈答品の需要を捉えて売り上げを伸ばした。こうした施策が奏功し、中国と韓国での売上高は2ケタ台の伸び率となり、前年を上回る勢いだという。

 新型コロナウイルスの影響でアパレルの生産工場が休業していたため、秋冬物の入荷が遅れるブランドが多い。バーバリーも同様で、春夏物をなるべく長く店頭に置くことで対応する。また余剰在庫を抱えることを避けるため、売れ筋に絞って展開する。

 ゴベッティCEOは、「卸が逆風に直面する中、このパンデミックによってD2CやECの重要性がいっそう浮き彫りになった」と話した。同社はデジタル施策に力を入れており、ソーシャルメディア上のフォロワー数などが前年比で2ケタ台の増加率なると同時に、ECでの売り上げも同じく2ケタ台の成長率になったという。こうした勢いを生かし、この夏にはオンライン上にレザーグッズのポップアップショップを開く予定だ。