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「バズフィード」英国とオーストラリアで事業撤退

 米国デジタルメディアのバズフィード(BUZZFEED)は5月14日、新型コロナウイルスのパンデミックで広告収入が減少したことを理由に、英国とオーストラリアでの事業から撤退することを明らかにした。なお同社では5月上旬に、米国ニュース部門のトップにジャーナリズム分野で30年以上のキャリアを持つマーク・スクーフス(Mark Schoofs)が就任した。

 同社はこの2地域のオフィスを閉める理由として経済上と戦略上の問題を挙げており、今後は米国内で影響力のあるニュースにフォーカスするとしている。なおこの件で影響を受ける従業員は14人で、そのうち10人は英国在住だ。

 スポークスマンによると同社は、米国オフィスの団体交渉を望む従業員団体に属さない4人の従業員を一時解雇したという。現状において彼らの業務が必要不可欠なものではなくなったことを理由に挙げている。

 過去に報道されたように、英国政府は月2500ポンド(約33万円)を上限として一時解雇されている労働者の賃金の80%を保証しており、新型コロナウイルスによる休業補償政策を10月まで延長することも決定した。

 バズフィードは英国で社会およびセレブリティー関連の取材や調査などを行い、世界の読者に向けたニュースを担当する一部の従業員については雇用を維持する計画だ。英国とオーストラリアからの撤退に関連して、ほかの従業員とも一時解雇についての協議を開始するともしている。

 スポークスマンによるとニュース事業に対する投資額の大きさは変わらないといい、約1000万ドル(約10億円)の投資が予定されている。なお、今年度と来年度の予算はおよそ600万ドル(約6億3600万円)だ。

 「バズフィード」は豊富なニュースや流行をカバーしており、タイトルとリストだけで構成されたリスティクルという記事でその名を挙げた。2013年に英国で運営を開始し、調査および政治の報道分野で急速に事業を拡大した。同社のスタッフはロシアのウラジミール・プーチン(Vladimir Putin)大統領に関する大量殺りくの調査で評価され、ジャーナリズムや文学、音楽などにおいてアメリカで最も権威のある賞といわれている「ピュリツァー賞(Pulitzer Prize)」のジャーナリズム部門の国際報道(International Reporting)で18年度のファイナリストにも選出された。

 米国のデジタルメディア業界では19年初め頃に人員削減の動きがあり、バズフィードでも同年1月に約200人規模の人員削減を行った。英国会社登記所のカンパニーズ・ハウス(COMPANIES HOUSE)によると、英国のバズフィードの18年度の売上高は2150万ポンド(約28億3800万円)で、前年度から3分の1以上落ち込む結果となっていた。なお、営業損失は前年度の230万ポンド(約3億円)から940万ポンド(約12億円)に増加していた。

 同社は新型コロナ危機によって広告業界が打撃を受けた影響で、3月下旬に主要ニュースメディアとして初めて賃金カットにも踏み切った。なお、同社はドイツでの事業からも撤退すると伝えられている。

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