ファッション

エル・ファニングとニコラス・ホルト出演 フールー新作ドラマ「ザ・グレート」の衣装舞台裏

 エル・ファニング(Elle Fanning)とニコラス・ホルト(Nicholas Hoult)が出演するフールー(Hulu)の新作ドラマ「ザ・グレート(The Great)」が、5月15日に公開された。同作はオーストラリア出身の脚本家トニー・マクナマラ(Tony McNamara)による、18世紀ロシアとエカチェリーナ2世(Catherine the Great)を題材にした連続ドラマだ。

 マクナマラが手掛けた2018年オスカー作品賞ノミネート作品の映画「女王陛下のお気に入り(The Favourite)」同様、歴史上のストーリーをコメディータッチで描いたものだ。作中でファニングとホルトはそれぞれ、ロシアで最も長く統治したロシア・ロマノフ朝の女帝エカチェリーナ2世とその配偶者のピョートル3世(Peter III)を演じる。歴史的史実を取り入れつつ、エカチェリーナ2世の出世にまつわる架空の物語をつむぎ出している。

 そんな「ザ・グレート」の衣装を手掛けたのは、衣装デザイナーのエマ・フライヤー(Emma Fryer)だ。フライヤーの衣装デザイナーとして最初の仕事は、90年代初頭に映画のヘッドドレスやジュエリーを制作したことだった。その後数年間ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウス(Royal Opera House)で働き、1988年に映画「恋におちたシェイクスピア(Shakespeare in Love)」の衣装担当として抜擢され転機を迎える。「ここ数年は時代物と現代のプロジェクトの両方を行ったり来たりしながらやってきた」と言う。

 「ザ・グレート」の制作チームに参加する前は、ジュリア・スタイルズ(Julia Stiles)主演のドラマ「リビエラ(Riviera)」の衣装担当としてハイブランドの現代的なスタイルを扱っていた。「現代から18世紀の世界へと飛んできたわけだけれど、私の仕事は俳優が衣装を介して役のキャラクターを見つけることを、コラボレーションする気持ちで手伝うこと。どんな時代設定のものであろうとこれは変わらない。でも衣装の制作に関しては少し変わってくる」と語る。

 フライヤーは、必ずしも作品で描かれる時代のものではない生地を取り入れることにより、モダンな雰囲気を演出しているという。王室の絵画などから研究を重ねる中、彼女はまた、「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」「ディオール(DIOR)」などの現代のブランドにも注目した。

 「袖の形やドレスに施された装飾など、いろいろなものを集めてムードボードを作った。それらは布地や宝石のほんの一部だが、思わぬところでひらめいて特徴を見つけることができた」と語る。ロンドンのハロッズ(HARRODS)の店内を歩きながらインスピレーションを得たこともあるという。

 主要キャストを含め、ほとんどの衣装はオリジナルで制作されたものだ。彼女は宝石やフルーツのような色を用い、歴史的にヨーロッパ風の着こなしを取り入れていたロシア宮廷の色彩環境を表現した。

 「序盤の明るい色を用いた衣装は、見合い結婚のためにポーランドからロシアにやって来た、理想主義的なロマンチストで気まぐれな若々しい女性像を表している。しかし彼女の愛と明るさは、境遇の異常さに気づくにつれて、ゆっくりと消えていく」と説明する。その後、貴族男性と恋に落ちて人生の喜びを取り戻す様子を、ワードローブに緑色を加えることで表現している。

 そして、クーデターの始まりとともにエカチェリーナ2世の知性が表に出てくるという物語の流れに合わせて衣装の色味も変化し、終盤には強く大胆な色使いになる。「鮮やかな色を幅広く用いることは彼女の能力への敬意だ。それが、視聴者に彼女の偉大さを感じさせる」とフライヤーは語る。