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新型コロナで在庫処分企業ショーイチへの買い取り依頼が3倍に膨張

 新型コロナウイルス感染症拡大、それに伴う店舗の臨時休業、営業時間短縮を受けて、アパレルや小売りのサプライチェーンが大幅に狂っている。春物がECで値下げされているのをよく目にするが、アパレル在庫処分大手のショーイチ(大阪、山本昌一社長)にも、例年にない量の過剰在庫が持ち込まれているという。

 ショーイチは2005年の創業。衣料品の過剰生産・大量廃棄が近年社会問題化する中で、過剰在庫を買い取り、ネームタグを外すなどして安く販売する企業として一躍有名になった。かつてはバッタ屋とも呼ばれたビジネスだが、世の中にサステナビリティの機運が醸成されていくのともタイミングが重なり、注目企業としてメディアへの露出も多い。不良在庫をキャッシュ化したいアパレルメーカーや小売企業、アパレルから発注キャンセルをくらったOEM/ODMメーカーなどには非常によく知られた存在だ。売上高は「19年4月期で約15億円」(山本社長)という。

 そのショーイチがこの2月にアパレルや小売企業から買い取った過剰在庫は、「枚数・金額で昨年2月の3倍。例年3~4月は各社がファミリーセールを開催する時期だが、それが新型コロナの影響でなくなったことで、19年春夏や19-20年秋冬の在庫が数千~数万枚の単位で持ち込まれている」という。

 例年とは異なる傾向は他にもある。「量販店から、20万枚生産した20年春夏商品のうち15万枚は自社でなんとか販売するから、5万枚引き取ってほしいといった依頼があった。まだ製品が中国の工場にあるという状態で依頼がきたのは初めてだ」と山本社長。「各社が商売した結果、売れ残った在庫を買い取って販売するのがうちの商売。工場から直接うちにくるなんていうことは本来あってはならない。われわれとしても本懐ではないし、早く通常の商売に戻るよう祈っている」と続ける。

 3月後半以降は取引先であるアパレルの担当者もあまり外出しなくなったことで買い取り依頼が減り、ショーイチの在庫は増えていないという。同社は買い取った在庫を、海外への輸出、マレーシアなどの海外直営店、国内での卸、国内直営店、直営ECなど、取引先の要望に応じてさまざまな販路で販売しているが、コロナショックによる全世界的な消費減退で販売は減速気味だ。それでも、「依頼がきたものは全部買う」のスタンスは今後も変わらない。「うちが抱えている在庫は現状100万枚。これが4月末には150万枚になる可能性もある」。

 偶然のタイミングだが、昨年末には奈良・天理に新たに1650平方メートル規模の倉庫も買った。「オフシーズンの商品を抱えておくための倉庫がほしかった。これで倉庫は大阪・西成、三重・伊賀などと合わせて約6600平方メートルになった」という。

 同社は衣料品の在庫買い取りのイメージが強く、実際に「売り上げの7~8割が衣料品」だが、化粧品や電化製品、食品などの在庫も買い取っている。

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