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“ヒットメーカー”田中みな実を大解剖! 「WWDジャパン」&「ビューティ」座談会

 「田中みな実さん愛用!」――今、最も女性消費者たちの心を動かすキラーワードの一つだろう。

 テレビドラマや雑誌、SNSなど、顔を見ない日はないほどの活躍ぶりを見せる、フリーアナウンサーの田中みな実(33)。一時期は「ぶりっ子」とやゆされ、嫌いな女子アナランキングの常連だった彼女も、今や多くの女性から支持を集めている。

 彼女がファッション・ビューティ業界に与えている影響は計り知れない。某大手アパレルブランドプレスは「田中さんが着てインスタで紹介してもらえれば、ヒット当確。うちの商品をプッシュするため、毎日事務所に“鬼電”しています(笑)」と話す。企業は自社商品を使ってもらおうと、連日ラブコールの嵐のようだ。

 そこで「WWDジャパン」「WWDビューティ」両部員は“田中みな実効果”が売り上げに貢献した商品を調査するとともに座談会を開催。彼女が業界のヒットメーカーたるゆえんについて語り合った。

(なお、新型コロナウイルス対策として、座談会は動画会議システム「ズーム(ZOOM)」で実施しました)

座談会参加者

益成恭子:「WWDジャパン」記者

本橋涼介:「WWDジャパン」記者

米山奈津美:「WWDビューティ」記者

浅野ひかる:「WWDビューティ」記者

本橋:……。(田中みな実の写真集「シンシアリー ユアーズ(SINCERELY YOURS...)」を食い入るように眺める)

米山:あの。もうビデオ会議始まっていますよ。

本橋:はっ!失礼いたしました。みなさま、この度はご参集頂きありがとうございます。田中みな実さんの写真集の“分析”に、すっかり夢中になっていました。

益成&米山&浅野:……。

本橋:それにしても、田中さんのお肌は20代のようにみずみずしいですね。やはり、コスメにも気を使ってらっしゃるのでしょうか?

浅野:はい。「ツヤ肌効果」のある商品が有名だったり、ベースメイクに定評があったりするブランドは、彼女のSNSなどでの紹介が売り上げにつながっているようですよ。

インスタライブ紹介で前年比約10倍売れたコスメも

米山:たとえば、アクロのメイクアップブランド「アンプリチュード(AMPLITUDE)」は、田中みな実さんのインスタライブ紹介で飛躍的に伸びました。定番ファンデーションの“ロングラスティングリキッドファンデーション”(9000円/30g)は前年比2.7倍、クリスマス限定のベースメイクキット(下地、パウダー、ブラシのセット)は前年比9.5倍の売れ行きだったそう。エキップの「スック(SUQQU)」もベースメイクに定評があるブランドですが、同じく田中さんが紹介した“オイル リッチ グロウ ルース パウダー”(6000円/15g)は、発売(2017年9月)からしばらくたっているにも関わらず、生産が追いつかないほどの人気に。

益成:新作だけでなく定番アイテムも「再爆発」させるパワーがすごいですね。田中さんの透明感のあるお肌には、淡い春服がよく似合いそうです。アパレルのヒット商品はどうでしたか?

本橋:ワンピースですね。彼女が写真集発売記念の握手会で着用した「セルフォード(CELFORD)」(マッシュスタイルラボ)の“ハンカチヘムワンピース”(2万3000円)は発売日、ルミネ新宿店にオープン前から行列ができたとか。「スナイデル(SNIDEL)」(同)は2020年春夏のビジュアルに、「マーキュリーデュオ(MERCURYDUO)」(マークスタイラー)はウェブマガジンに田中みな実さんをモデルに起用し、問い合わせが殺到しているそうです。

20~30代女性の共感を呼ぶ“親しみやすさ”

浅野:田中みな実さんといえばワンピースというイメージがあります。Vネックや裾のスリットにリボン。どれも可憐なデザインですね。

本橋:いずれも20代~30代の女性をターゲットとするブランドで、田中みな実さんと同年代。2020年春夏のリアルトレンドは「ニュアンスカラー」「透け感のある素材」がキーワードですが、彼女の柔らかい雰囲気もマッチしていて、広告塔にぴったりだったのでは。

益成:「セルフォード」といえば、石原さとみさんがテレビドラマ「高嶺の花」(2018年、日本テレビ系列)で着用し、話題になったワンピースがありました。

浅野:私は当時、前職でビューティ系ネットメディアの編集をしていましたが、当時の石原さとみさんの影響力はすごかったです。セルフメイクの情報発信にも積極的で、みんな彼女の唇の形にあこがれていました。ほかにも長谷川潤さん、水原希子さんなど、影響力のあるビューティアイコンはたくさんいますよね。

米山:その中で、田中みな実さんが今多くの人に支持されている要因は、「親しみやすさ」ではないでしょうか。今はSNSが発達して「共感」の時代とも言われますが、彼女は身長も高くない(153cm)し、ハーフモデルのように日本人離れした顔立ちでもない。だから女性にとって憧れの対象でありながら、等身大で自分ごと化しやすい。

本橋:なるほど。

浅野:一方で、私は(田中みな実さんの)美容へのストイックさのギャップに驚きます。私生活では、ビタミンの多い果物を意識して食べたり、お肉よりもお魚を意識して摂取したり。水は一日に3リットル飲むそうです。よく「毎朝スムージー飲んでいます」みたいな、綺麗な部分だけを発信するモデルは多いんですが(笑)、田中さんの場合は泥臭くて“本物感”があるんですよね。「おっぱいまでが顔」と考えて、ボディケアにも相当こだわっているようです。

本橋:ほうほう、ボディケアにも……。(写真集をまた眺める)

数万円の高級ランジェリーも売れる“説得力”

益成:写真集で着用しているのは「チヨノアン(CHIYONO ANNE)」というオーダーメードのランジェリーです。着用モデルの“ルナ”シリーズ(ブラジャー3万1000円~、パンティ1万8000円~)は刺しゅうデザインが美しく、問い合わせが増えているそう。(「チヨノアン」は)伊勢丹新宿本店でポップアップストアなども開催していますが、基本はEC販売で、インポートランジェリーにも迫るような高価格。よっぽど(田中みな実さんを)好きな人じゃないと買わないと思うので、それだけコアなファンが多いということでしょうか。

浅野:確かに、「MTメタトロン」のクレンジングジェル(5000円/200ml)も田中みな実さんが使ってヒットしたそうですが、これはサロン専売品。彼女自身に説得力があるからこそ、マニアックだったり比較的高価格だったりするアイテムでも、売れるのでしょう。

米山:エントリー層は1万円以下の化粧品、もうすこし頑張って近づきたい人は洋服。そして熱狂的、信者的なファンは数万円のランジェリーにも手を出すということでしょうか。

本橋:なるほど。ブームとは一概に言うけれど、マス(大衆)向けからニッチまで幅広く市場を動かせる「田中みな実パワー」、すごいですね!

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