ファッション

新型コロナでオンラインフィットネス需要拡大 ジム支援の取り組みも

 新型コロナウイルスの感染リスクが高い場所の一つとして挙げられたスポーツジムが臨時休業などの対応や消毒などの対策を強化する中、ライブ配信や動画コンテンツにより自宅でできるフィットネスサービスの需要が伸びている。

 厚生労働省は3月1日、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて、クラスター(小規模な感染者の集団)が次々と連鎖するのを防ぐための注意喚起を行った。換気が悪く不特定多数の人と接触する可能性のある場所や人が密集する空間を避けるように求め、その事例としてスポーツジムやライブハウス、ビュッフェスタイルの会食などを挙げた。

 これを受けて、3月初旬には多くのスポーツジムが臨時休業や一部プログラムの停止などの措置に踏み切った。政府の要請から3週間以上が経ち再開する施設も増えているが、消毒用アルコール設置や検温、プログラム参加人数の制限、消毒時間を確保するためのレッスン数縮小、休会・退会申し込みの即時受付などの対応に追われている。

 不要不急の外出を控える傾向が続く中、オンラインフィットネスサービスが脚光を浴びている。双方向型ライブ配信フィットネスサービス「ソエル(SOELU)」は、2018年3月のサービス開始から昨年12月に延べ受講数が10万回を突破し、国内最大級のオンラインフィットネスサービスに成長している。朝5時~深夜24時まで30~60分のライブレッスンを毎日100クラス開講し、ヨガやピラティスなど約200人の専門インストラクターがさまざまなプログラムを提供している。2月以降、新型コロナウイルスの感染拡大により入会者数が急増。会員全体の約30%が直近1カ月の新規入会だという。

在宅勤務を支援 法人向けにフィットネスアプリを無償提供

 在宅勤務による運動機会損失による運動不足解消を支援する取り組みも広がっている。フィットネス音声ガイドアプリ「ビートフィット(BeatFit)」では2月以降、ダウンロード数と会員数が大きく増加。既存会員のアプリ利用動向も、ランニングマシンなどを使うジムでの利用から自宅での筋力トレーニングや屋外でのウオーキング、ランニングなどに大きく比重が移っているという。そうしたことから、4月末まで法人向けにアプリを無償提供することを決定した。3月末までに法人会員となった企業の全従業員に無償アカウントを発行し、ウオーキングから筋力トレーニング、ヨガや瞑想まで600以上のコンテンツを提供する。

 休業や縮小営業などを余儀なくされたスポーツジムやフィットネスクラブを支援する動きもある。スポーツ向けAI動体分析サービスの開発・提供を行うスポーティップは、2月末~3月29日の期間・人数限定で、中小スポーツクラブや個人のパーソナルトレーナー向けに、AI運動アシスタントアプリ「スポーティップ フォー トレーナー」を無償で提供している。同アプリは動画撮影機能や、トレーニングメニューの作成や指導記録機能、チャット機能、動画解析機能、測定機能、リポート機能を備え、指導プランの追加による単価向上と、記録やフォローアップの手間を削減してトレーナーのコスト削減を支援するツールとして販売していた。新型コロナウイルス拡大を受けて、フィットネス習慣・参加率低下と、それに起因するスポーツジムの売り上げ減少を防ぐことを目的に無償提供を決めた。

 ビデオ配信型フィットネスサービス大手の「リーンボディ(Lean Body)」も3~4月の2カ月間、全国の提携スポーツクラブに動画コンテンツを無償提供する。提携スポーツクラブの会員は無料で有名インストラクターによるヨガや筋トレ、ストレッチやマッサージなど350以上のレッスン動画を利用することができる。フィットネス習慣の継続を支援する取り組みだ。

 日本はオンラインフィットネス先進国のアメリカに比べて狭い住宅環境などにより普及が進んでいなかったが、新型コロナウイルス拡大をきっかけに注目が集まっている。

最新号紹介

WWD JAPAN

デジタルコマース特集2020 コロナで変わったもの/残すべきもの

「WWDジャパン」10月26日号は、デジタルコマース特集です。コロナ禍でデジタルシフトが加速し、多くの企業やブランドがさまざまなデジタル施策に注力していますが、帰るべきものと残すべきものの選別など、課題が多いのが現状です。今年はそんな各社の課題解決の糸口を探りました。巻頭では、デジタルストアをオープンしたことで話題の「シロ(SHIRO)」の福永敬弘=専務取締役やメディアECの先駆け的存在「北欧、暮…

詳細/購入はこちら