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米ギャップ、新CEOに「オールドネイビー」のCEOを任命

 米ギャップ(GAP)は、新たな最高経営責任者(CEO)としてソニア・シンガル(Sonia Syngal)「オールドネイビー(OLD NAVY)」プレジデント兼CEOが3月23日付で就任すると発表した。アート・ペック(Art Peck)=ギャップ前社長兼CEOは2019年11月7日に退任しており、後任には同日付でロバート・フィッシャー(Robert Fisher)=ギャップ会長兼暫定社長が暫定的に就いていた。なお、「オールドネイビー」のCEO職の後任については発表されていない。

 同社の主力ブランドである「ギャップ」は業績不振が続いており、19年2月には今後2年間で北米を中心におよそ230店を閉じることを発表。同時に、傘下ブランドの中で比較的好調な「オールドネイビー」を上場会社として独立させ、「ギャップ」とその他のブランドである「アスレタ(ATHLETA)」や「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」などを擁する新たな上場会社を設立するという大胆な事業再編計画を発表した。しかし分離を発表した直後から「オールドネイビー」の既存店ベースでの売上高がマイナスに転じ始め、20年1月にはこの分離上場案を撤回した。

 シンガル新CEOは04年にギャップに入社した。同社のヨーロッパ事業のマネジング・ディレクターや、国際部門および国際アウトレット部門のシニア・バイス・プレジデントなどの要職を歴任し、16年に「オールドネイビー」プレジデント兼CEOに就任。以降、3年間で同ブランドの北米とメキシコにおける店舗数を1200店以上にまで拡大し、売り上げを70億ドル(約7490億円)から80億ドル(約8560億円)へと成長させた。またオムニチャネル化にも手腕を発揮し、同社によれば「オールドネイビー」のECサイトをアパレル業界では全米4番目の規模にまで育てた立役者だという。

 シンガル新CEOは、「ギャップの豊かな歴史を引き継ぎ、将来のさらなる発展に向けて事業や組織を変革しながら、およそ13万人に及ぶ従業員の皆さんを率いていく役割に任命されて大変光栄に思う。何百万人もの顧客に愛されている当社のブランドが持つ可能性を最大限に引き出し、スケール上の利点も活用して、さらに魅力的な存在となるように尽力する。そのためにも、付加価値を創出するプロジェクトなどを優先して実施していきたい」と述べた。

 フィッシャー会長兼暫定社長は、「次章へと進むにあたって、当社の顧客を深く敬愛し、長期的な価値を創出するための決断が下せるダイナミックなリーダーが必要だと考えた。やるべきことが山積しているが、ソニアはそれを効果的に行うために必要な経験や資質を全て備えている。素晴らしい行動力と誠実さ、そしてビジョンを持ってイノベーションを断行してくれると確信している」と語った。

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