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ビジネスリーダーたちが考える美容室の課題 「美容室は異業種で良いものを取り入れるが“連携”はしない」

 このほど、異業種のビジネスリーダーらが見た“ヘアサロン業界の問題点と可能性”を議題にしたトークセッションが行われた。参加したのは、徳田充孝ダイアナ社長、古木数馬ライム(LIME)代表、北村嘉崇ハビュー(HUBEAUUU)代表、平澤伸浩ロート製薬 事業戦略室長兼アノマリー代表、金山宇伴・明治大学リバティアカデミー講師、日髙圭悟・中小企業庁財務課 総括補佐の6人。全員、ヘアサロン業界に関わりつつも“内部”ではないビジネスパーソンたちだ。

 まず“美容サロンビジネスの市場規模は1兆5000億円、理容は約6000億円と巨大産業だが、低賃金、長時間労働、飽和する市場など構造的な課題が山積しており、産業構造のアップデートが求められている”とヘアサロン業界の現状が示され、一人一人が考える課題と進むべき方向性を提言。ヘアサロン業界は長らく“閉鎖的”と言われてきたが、“業界外”から見ているからこそ発せされる言葉からは、今後の“新規参入”による業態変革の可能性が示された。

 古木ライム代表は「美容室では、宣伝する資本のある美容室と、SNSの使い方がうまい美容室は話題になりやすいが、そのどちらかでないと、本当にいいサービスを提供していても表層化しない傾向にある。そのために、理想の美容室に出合えないでいる女性も多いので、本当にいいサービスを提供している美容室が分かりやすく伝わる仕組みが必要だ」と述べた。

 徳田ダイアナ社長は「大人の数が減っているのに、サロンは増えているという現状があり、業態を変える必要がある。髪だけでなく、さまざまな美容サービスを集約して“ヘルス&ビューティの専門家集団”になるなど、方向性をシフトしていくべきだと思う」と業態変革の必要性を説いた。

 平澤アノマリー代表は「美容室は“一対一のカウンセリング”という圧倒的な価値を持っているが、スーパーやドラッグストアなどでシャンプーを買っている人の約5%しか美容室でシャンプーを買っていない。もっと“カウンセリングをすると自分にぴったりの商品が買える”というメッセージを発信していく必要がある」とアピール力の強化を求めた。

 日髙総括補佐は「現状では店舗数が多過ぎて、集約化していく必要性がある。しかし大いなる可能性も秘めていて、海外展開やインバウンド需要も期待できる」と話した。

 金山講師は「美容室業界では、業界外のいいものを取り入れて“内製化”(自社内で行うこと)することが多く、外部と“連携”するケースは少ない傾向にある。今後は、専門的なことはその道のプロに任せて、“連携”することが業界全体の価値向上につながっていくと思う」と考え方のシフトチェンジを促した。

 同トークセッションは、一般社団法人ジャパン イノベーション ネットワーク(JAPAN INNOVATION NETWORK)と、エコシステム実現のための事業を展開するサンドレッド(SUNDRED)が共同運営する“新産業共創スタジオ”が、ビジネスパーソンのためのプロジェクトローンチ&ネットワーキングイベント「インダストリーアップデイ 2020スプリング(INDUSTRY-UP DAY 2020 SPRING)」を東京ミッドタウン日比谷で開き、その中でさまざまな分野での新規事業創出をテーマとしたイベント“ビューティインテグレーション産業”に関するトークセッション内で行われたものだ。