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異常気象に立ち向かう“気温MD”をストライプが採用 14の気温軸に合わせて週次で最適商品を投入

 ストライプインターナショナルは5月をめどに、従来の“季節MD”に代えて“気温MD”を導入する。暖冬に代表される異常気象を受け、これまでの6シーズン制MDではなく、週ごとの気温をもとに商品計画を組んでいく。マイナス3度から36度まで、3度刻みで14の気温軸を設定。「(秋冬物でいえば)冬だからダウンを売るというのではなく、マイナス3度だからダウンを売るといった発想に仕組みを変えていく」(石川康晴社長)という。

 仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の各都市の最低気温・最高気温の平均値をもとに計画を立てていく。「気象予想をもとにして、店頭投入の3カ月前の時点で発注をする。2週間前には国内の倉庫に商品が納入されるため、その時点の気象予想をもとにして再度判断し、3カ月前の計画に対して前後で計3週間の投入調節をする」。14の気温区分けごとに、それぞれどのような色、素材、アイテム、丈などが支持されるのかを明らかにし、相関図データを蓄積していくという。「創業以来、26年間季節MDを採用してきたため、今後1年間ほどは右往左往することになる。しかし、気温軸でのデータをAI(人工知能)に3年分蓄積すれば、正確なMDが組めるようになる」と見る。5月から、同社の全ブランドで気温MDを導入予定だ。

 気温MDの導入で、季節MDでは対応しきれていなかった端境期の強化を狙う。例えば、「ボリュームゾーンのカジュアルブランドは、これまでは3月からが春という考え方で、2月まではセールを含めダウンアウターなどを売っていた。しかし、今後は1月の3週目から春という考えでいい」とし、気温MDに基づく“春色冬素材”のプロパー価格商品を12月から投入していくような動きにするという。

 先行して同社は17年から、AIを使った在庫(発注量)の圧縮に取り組んでおり、一定の手応えを得ている。在庫圧縮により、20年1月期は「発注金額を前期に比べ17%削減した。21年1月期はさらに2%削減する」。こうした在庫圧縮と気温MDを組み合わせることでさらに最適化を進める。プロパー価格で売り切れる商品が増えるため、セール在庫は3分の1にまで圧縮される。そのためセール期間が縮小し、次シーズンのプロパー価格商品の立ち上がりは従来より2カ月前倒しされる。これら一連の流れにより、原価率がさらに改善されるといった好循環のイメージを描く。

 同社の20年1月期の連結売上高は、在庫圧縮を進めてきたことで前期比微増の1389億円に留まる見込み。ただし、利益面は「異常気象によって下期は苦戦したが、上期は絶好調だった」という。21年1月期も、「(売上高を高めようとすると値引きにより利益が悪化するので)既存店売上高は同2%減でいい」とし、連結売上高は前期比1.4%増の1409億円を見込む。在庫圧縮と気温MDによる最適化で、粗利率は5.4ポイントの改善を見込んでおり、営業利益額で50億円の増額を目指す。

 現地企業を買収して好調なベトナムに続き、21年1月期では夏をめどに、現地企業買収でフィリピン市場にも参入。中国本土では、注力するフランチャイズによって小型店を20店出店し、22年1月期に中国事業の黒字転換を目指す。国内は、社内で利益率の高い「アメリカン ホリック(AMERICAN HOLIC)」「サマンサモスモス(SAMANSA MOS2)」「メゾン ド フルール(MAISON DE FLEUR)」「イエッカ ヴェッカ(YECCA VECCA)」の4ブランドで21年1月期中に78店を出店。これまで、同社の基幹ブランドといえば「アース ミュージック&エコロジー(EARTH MUSIC&ECOLOGY)」「グリーン パークス(GREEN PARKS)」だったが、「利益面から判断し、主力ブランドの入れ替えも行っていく」。全社では113店の出店を計画、「大型ファストファッションや大手アパレルの退店後の区画に積極出店する」。

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