ファッション

新社長が語るストライプインターナショナルの問題点 目指すは「オーナー企業体質からの脱却」

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川部将士/ストライプインターナショナル社長

川部将士(かわべ・まさし):1972年生まれ、神奈川県出身。95年一橋大学社会学部卒業後、住友商事に入社。99年住商リテイルストアーズ(現トモズ)へ出向、2008年バーニーズジャパンへ出向、16年住商ブランドマネジメントに出向して社長就任、18年フェイラージャパンに出向して社長就任、22年9月住友商事に帰任し11月に退職。12月にストライプインターナショナルに顧問として入社、23年2月から現職

 ストライプインターナショナルの新社長に、2月1日付で元フェイラージャパン社長の川部将士氏が就いた。川部新社長は住友商事の出身で、フェイラージャパン以前は当時住友商事が出資していたバーニーズジャパンのCFO(最高財務責任者)や住商ブランドマネジメントの社長を務めており、ファッションや小売りビジネスとの関わりは深い。創業社長の辞任、コロナ禍の事業リストラ、ファンド主導での再建といったニュースが続いたストライプだが、23年1月期までで事業整理はひと段落し、「本業に集中できる体制が整った」と川部新社長。ストライプをどのように次のステップへ導くのか聞いた。

WWD:社長に就任した経緯は。

川部将士ストライプインターナショナル社長(以下、川部):新卒で入社して以来、住友商事で28年間働いた。その大部分が小売畑だ。ドラッグストアのトモズ、バーニーズジャパン、フェイラージャパンに出向してきた。海外駐在も経験せず、あまり商社マンらしくないキャリアだが、自分は小売りビジネス、特にファッション小売りが好き。そんな中で50歳まであと数年と迫ったときに、住友商事の中ではこの先のキャリアが見出しにくいと考えるようになった。それでフェイラージャパンの社長を4年務めて帰任する際に、好きなファッション小売りの分野で次のキャリアを探してみようと思い、退職を申し入れた。ストライプに出資するティーキャピタルパートナーズとは、バーニーズジャパン時代に一緒に仕事をしていた経緯がある(注:当時は東京海上キャピタル)。

WWD:ストライプは2020年3月にセクハラ報道を受けて創業者の石川康晴社長(当時)が辞任し、それ以降は中国事業からの撤退や複数ブランド・サービスの休止といったリストラを進めてきた。厳しい局面にあると言えるが。

川部:商社マン時代に出向していた企業も、どこも当初は厳しい状況にあった。元気を失っている企業に見られる症状は大体同じ。現在のストライプの状況も僕にとっては想定の範囲内だし、ここから何をすれば良くなっていくかも今までの経験の中である程度見えている。もちろん、原因は分かっていても、改善策を立ててそれを遂行していこうとするとその中で各社各様の問題は出てくるため、そこに難しさはある。しかし、やるべきことが何かは自分の中では見えている。

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