米アリゾナ州司法長官事務所はこのほど、縮毛矯正剤の広告・販売を巡り、ロレアルUSA(L’OREAL USA)、親会社のロレアル(L'OREAL)、およびヘアカラー・ヘアケアブランド「ソフトシーン・カーソン(SOFTSHEEN-CARSON)」を相手取り、消費者詐欺をめぐる訴訟を提起したことを明らかにした。
訴状では、ロレアル側が主にアフリカ系米国人の女性らに販売していた縮毛矯正剤について、発がん性が疑われる物質を含むことや、卵巣がん、子宮がんなどのリスク上昇との関連が指摘されていることを十分に開示していなかったと主張している。
これに対しロレアルは、訴状の主張を強く否定した。同社の広報担当者は米「WWD」に対し、「当社にとって最優先事項は、全ての消費者の健康とウェルビーイングだ。商品は専門家による厳格な科学的安全性評価を受けており、事業を展開する全ての市場で関連法規を厳格に順守している。『ソフトシーン・カーソン』の商品についても安全性に確信を持っており、本訴訟で示された主張には法的にも科学的にも根拠がないと考えている」とコメントした。
縮毛矯正剤の健康リスクめぐり双方が主張
アリゾナ州司法長官事務所は、ロレアル側が縮毛矯正剤の使用に伴う重大な健康リスクを開示せず、消費者の誤認を防ぐために必要な警告を行ってこなかったと主張している。また訴状では、縮毛矯正剤には内分泌かく乱物質のほか、米国の連邦機関や国際機関がヒトに対する発がん性がある、またはその可能性があると分類する物質が含まれていると主張している。
訴状では複数の研究を引用している。その一つが、米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)の環境・がん疫学グループを率いるアレクサンドラ・ホワイト(Alexandra White)氏らによる研究で、縮毛矯正剤の使用とがん発症リスクの上昇との関連を示したものだとしている。
これについてロレアル側は、「本訴訟の根拠となっている研究自体がさらなる研究の必要性を認めており、対象商品の使用と原告側が主張する健康状態との因果関係を示したものではない。また、研究を主導した研究者の一人も、健康への影響にはほかの要因が関与している可能性があることを認めている」と反論した。
なおロレアルは2023年にも、縮毛矯正剤とがんリスクの関連性を巡り米国で提起された一連の訴訟について、「法的にも科学的にも根拠がない」とする声明を公表していた。