LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2026年1〜6月期(上半期)決算は、売上高が前年同期比2.9%減の386億4400万ユーロ(約7兆1877億円)、営業利益は同3.2%減の87億1400万ユーロ(約1兆6208億円)、純利益はほぼ横ばいの56億9700万ユーロ(約1兆596億円)だった。
4~6月期はファッション部門&グループ全体が増収に転じる
部門別での売上高は、スターブランドの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「ディオール(DIOR)」などを擁する主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同5.1%減の181億4600万ユーロ(約3兆3751億円)だった。しかし、「ディオール」を率いるジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)=アーティスティック・ディレクターによるコレクションが大きな成功を収めていることや、「ルイ・ヴィトン」が中国・北京および韓国・ソウルにオープンした新店の業績が良好なことを受け、4~6月期(第2四半期)の現地通貨ベースでの売上高は同1%増で着地。小幅な伸びではあるものの、7四半期ぶりにプラス成長に転じた。なお、第2四半期はグループ全体の売り上げも現地通貨ベースで同3%増となっている。
「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「ブルガリ(BVLGARI)」「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」などを擁するウオッチ&ジュエリー部門は引き続き堅調で、上半期の売り上げは同2.7%増の52億2500万ユーロ(約9718億円)だった。中国の春節(旧正月)に高級酒の需要が増加したことから、ワイン&スピリッツ部門は同0.4%増の25億9800万ユーロ(約4832億円)と微増ながら回復の兆しが見えた。一方、セレクティブ・リテール部門は同2.5%減の84億600万ユーロ(約1兆5635億円)、香水&コスメティクス部門は同4.1%減の39億1400万ユーロ(約7280億円)と減収だった。
地域別での売上高は、フランスが同4.9%減の30億7200万ユーロ(約5713億円)、フランスを除く欧州は同1.3%減の66億3200万ユーロ(約1兆2335億円)。米国は同3.1%減の96億8700万ユーロ(約1兆8017億円)、日本を除くアジア太平洋地域は同0.5%減の110億5900万ユーロ(約2兆569億円)、日本は同5.3%減の52億700万ユーロ(約9685億円)と全ての地域で減収だった。一方、第2四半期の現地通貨ベースでの売上高を見ると、欧州は横ばいだったものの、米国は同6%増、日本を除くアジア太平洋地域は同4%増、日本は14%増と成長が加速している。
「下半期も自信を持って事業を進める」と会長兼CEO
ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者は、「26年上半期も、効果的な事業戦略により着実に成長することができてうれしく思う。全ての傘下メゾンが比類のない品質のプロダクトを提供し、インスピレーションに満ちた魅力を発揮した。下半期も利益率に注意を払いつつ、メゾンの長期的なポテンシャルに新たな自信を持って事業を進めていく」と語った。
ラグジュアリー市場は低迷から脱却しつつある?
ここ数年、地政学上の先行き不透明感の長期化や社会情勢の悪化などの影響で、中間層やアスピレーション層(高級ブランドに憧れを持ち、やや背伸びをして購入する層)が離れたこともあり、ラグジュアリー市場は全体に減速している。このため、ラグジュアリー各社は少数の超富裕層および富裕層への依存を余儀なくされていた。しかし今回のLVMHの業績を踏まえ、潮目が変わってきているのではないかと見るアナリストも。一方で、「低迷から脱却しつつあると安心するには十分でない」という見方もあり、判断は分かれている。