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エスティ ローダー、26年6月期は黒字転換 売上高は3年ぶり増収、中国本土も回復

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)の2026年6月期決算は、売上高が前期比4.9%増の150億4900万ドル(約2兆3927億円)と3年ぶりの増収を達成した。営業損益は前期の7億8500万ドル(約1248億円)の赤字から7億8000万ドル(約1240億円)の黒字に転換。純損益も11億3300万ドル(約1801億円)の赤字から1億8200万ドル(約289億円)の黒字となった。調整後営業利益率は8.0%から11.2%に上昇した。25年2月に打ち出した戦略ビジョン「ビューティ・リイマジンド(Beauty Reimagined)」を推進し、売上高の再成長と収益性の改善を図っている。

第4四半期の売上高は同6.3%増の36億2700万ドル(約5766億円)で、全地域が増収となった。純損失は1億1600万ドル(約184億円)と、前年同期の5億4600万ドル(約868億円)から赤字幅を縮小した。売上高が市場予想の35億4000万ドル(約5628億円)を上回ったことなどを受け、19日の株価は16%超上昇し、98.01ドル(約1万5583円)を付けた。

フレグランスが2ケタ増 スキンケアも成長

部門別の売上高は、フレグランスが同11.5%増の27億7900万ドル(約4418億円)と大きく伸長した。「ル ラボ(LE LABO)」「トム フォード ビューティ(TOM FORD BEAUTY)」「キリアン パリ(KILIAN PARIS)」が好調だった。スキンケアは「ラ・メール(LA MER)」「オーディナリー(THE ORDINARY)」「エスティ ローダー(ESTEE LAUDER)」が成長をけん引し、同5.4%増の73億3800万ドル(約1兆1667億円)となった。

メイクアップは同1.6%増の42億7600万ドル(約6798億円)で、「M・A・C」と「トム フォード ビューティ」が伸長した一方、「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」と「トゥー フェイスド(TOO FACED)」の減収がその伸びを相殺した。

ステファン・ド・ラ・ファヴリー(Stephane de La Faverie)社長兼最高経営責任者(CEO)はメイクアップを今後の成長カテゴリーの1つと位置付け、「当社は『M・A・C』をはじめ、有力なメイクアップブランドを有している。同事業の成長を加速させる計画だ」と説明した。

ELCは7月、「トゥー フェイスド」「スマッシュボックス(SMASHBOX)」「ドクタージャルト(DR.JART+)」の3ブランドを売却せず、引き続き保有する方針を明らかにした。これらのブランドの価値向上策の一環として、「トゥー フェイスド」は拠点をカリフォルニアからニューヨークに移し、同社のメイクアップ部門の傘下で運営する。

26年6月期には、売上高10億ドル(約1590億円)を超えるブランドが6つとなった。「クリニーク(CLINIQUE)」「エスティ ローダー」「ラ・メール」「M・A・C」に、「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」と「トム フォード ビューティ」が新たに加わった。

中国本土は11.5%増収 トラベルリテール事業も回復

地域別の売上高は、米州が同1.2%増の44億6300万ドル(約7096億円)、中国本土が11.5%増の30億5800万ドル(約4862億円)となり、これまで苦戦していた2市場が好転した。

トラベルリテール事業は現在、全社売上高の約15%を占める。構成比は21年6月期の約28%から低下しているもののド・ラ・ファヴリーCEOは、「6月と7月には、トラベルリテール事業が世界各地で3年ぶりに成長に転じた。中国の空港で回復が見られるほか、アジア太平洋地域内の旅行も増えている」と説明した。今後はトラベルリテールの構成比を約15%に維持する方針で、「1つのチャネルへの依存度を下げることにもつながる」とした。

M&Aについては、5月にプーチ(PUIG)との合併協議が終了したものの、ド・ラ・ファヴリーCEOは今後も適切な案件があれば検討する姿勢を示した。「ポートフォリオを補完し、成長を多様化でき、適切な価格で取得して株主価値を生み出せる機会があれば、今後も検討していく。関心を持っているカテゴリーも複数ある」と述べた。

27年6月期は売上高前期比3〜5%増を予想 調整後営業利益率を上方修正

同社は27年6月期の売上高を同3〜5%増と予想しており、調整後営業利益率を12.7〜13.5%と見込む。米投資銀行TDコーウェン(TD COWEN)のオリバー・チェン(Oliver Chen)=アナリストは、「投資家の関心は27〜28年度の利益成長の持続性に移るだろう。北米の成長が持続するか、前年実績が高くなる中でも中国の好調が続くか、メイクアップの回復がどの程度のペースで進むか、また27年6月期以降に利益率をさらに改善する余地がどれだけあるかが主な論点となる」と指摘した。

26年6月期は追加関税により1億200万ドル(約162億円)のコスト増となった。一方、第4四半期には支払い済み関税の一部が還付され、3800万ドル(約60億円)のコスト減となり、関税による負担を一部相殺した。

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