PROFILE: 小林文子/三越伊勢丹 執行役員 三越日本橋本店長

日本の百貨店の元祖である三越日本橋本店には、長年築き上げてきた老舗の風格がある。だが「伝統に頼り切っては駄目」と語るのが、4月に就任した小林文子店長だ。三越ののれんの力を駆使し、異なるもの同士を掛け合わせて、新しい価値を生み出すことこそ存在意義だと説く。(この記事は「WWDJAPAN」2026年7月20日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
STORE DATA
開業年:1904年(デパートメントストア宣言の年、呉服屋としての創業は1673年) 店舗面積:6.2万㎡ 総額売上高:1690億円(26年3月期) 概要:1673年に三井高利が呉服店「越後屋」を創業。1904年のデパートメントストア宣言で日本初の百貨店となり、日本における百貨店の雛形を作る。格式高い老舗としてエスタブリッシュメントに愛されている。
進化し続ける老舗として
「世界から憧れられる店」へ
WWD:三越日本橋本店はどんな店か。
小林文子店長(以下、小林):この地で約350年、伝統を継承しながら新しい価値を生み出してきた。日本の文化に根差した上質なライフスタイル。それをファッション、食品、美術、工芸、宝飾品、呉服など、トータルに提案するところに当店らしさがある。三越伊勢丹ホールディングス(HD)が掲げる「高感度・上質消費」を体現した店舗といえるだろう。
もしも宮中に招かれたら…
WWD:どんな客が多いのか。
小林:何世代にもわたって利用して下さる方が多い。ランドセルの購入時期には、おばあさま、お母さま、お子さまの家族3代の姿をよく見る。七五三や成人式の着物選びも同様だ。(他店が縮小する中)これだけ呉服が充実している百貨店は他にない。春と秋の叙勲・褒章のニーズも当店ならではだろう。宮中のドレスコードを知る人はほとんどいないが、当店には専門的な知識を持つフォーマルスペシャリストやフィッティングアドバイザーの有資格者がそろっている。人生のハレの日に、真っ先に想起してもらえる店舗だ。
WWD:ファッション消費での特徴はあるか。
小林:女性のエグゼクティブの信頼が厚い。今は女性の管理職が増えており、商談やプレゼンなどジャケットやスーツが必要な場面もある。そんなとき「三越なら上質で安心できる服があるはず」となる。ストアアテンダント(商品カテゴリーの枠組みを超えて1人の客を接遇する)と相談しながら、服やアクセサリー、メイクまで横断した提案ができる。資格を持ったスタッフによるカラー診断、骨格診断も提供できる。当店ほどそうそうたるエスタブリッシュメントのお客さまの要望に応えてきた百貨店はない。
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