
2026-27年秋冬シーズンのミラノの足元は、力強いロングブーツやサイハイブーツが目立った。直線的なプロポーションに、スエードのような柔らかな素材を組み合わせた提案が今季らしい。しばらく続いたフラットシューズ優勢の流れに対し、華やかなヒールの提案も増えている。繊細な装飾や素材の表情を通し、それぞれの美学を打ち出した。
一方、バッグは、クラシカルなトップハンドルが引き続き人気だ。中でも、左右に長い横長フォームの“イースト・ウエスト“型が目を引く。かっちりとしたシェイプが定着する一方で、ソフトレザーのクラッチタイプやドローストリングポーチのように、体になじむしなやかさを備えた提案も増えている。(この記事は「WWDJAPAN」2026年3月16日号からの抜粋です)
【 SHOES 】
「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」
創立30周年の節目となる今年、ブランドの若々しく自信に満ちた女性像をあらためて発信するために焦点を当てたのはブーツ。スタックヒールのウエスタンブーツのようなタフな一足から、直線的でモードな面構えのロングブーツ、ソフトレザーで仕上げた8.5cmのチャンキーヒールのニーハイブーツまで、さまざまなシーンに寄り添うラインアップをそろえた。定番のバイカーブーツもベルベットスエードで刷新した。
「ジャンヴィト ロッシ(GIANVITO ROSSI)」
「ウィンターガーデン」をテーマに掲げた今季は、パンプスに施したフローラルレザーのカッティングが、繊細でフェミニンな世界観を演出する。「軽やかな動き」もキーワードで、パンプスやサンダルにあしらったフェザーのディテールが、歩くたびに優美なシルエットを描く。スティレットヒールのサイハイブーツは、今季を象徴する一足だ。「ジャンヴィト ロッシ」らしい官能性を備えながら、直線的なラインと端正なプロポーションで洗練された女性像を表現した。
「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」
1月にクリエイティブ・ディレクターのポール・アンドリュー(Paul Andrew)が退任した「セルジオ ロッシ」は、同氏が築いた革新的なデザインの流れを着実に引き継ぐシーズンとなった。ルネサンスや、その系譜に連なるフランドル地方の美術文化に着想し、ウォームブラウンやダークトーンの重厚な色彩、端正な構築美を追求。アンドリューが考案した、ショートカクテルグラスを思わせる“マルティーニヒール”は、サイドゴアブーツにもフェミニンな表情をもたらした。
「サントーニ(SANTONI)」
ブランドのアイコンであるメンズのダブルバックルを、ウィメンズシューズで再構築した。フルグレインカーフのパンプスには、「サントーニ」を象徴する手染め技法“ヴェラトゥーラ”を採用。幾重にも重ねた顔料が独特の奥行きを生み、ダブルバックルが現代的なアクセントを加えた。シルクのように軽やかなスエードで仕立てたサイハイブーツは、背面のストラップとメタルバックルが印象的。しなやかなシルエットにアクセントを加えた。
「ポール・アンドリュー(PAUL ANDREW)」
「形態」「比率」「質感」をキーワードに、シューズの革新性を追求した。細く裁断したパテントレザーをねじって構築したパンプスは、リングイネの形状から着想を得たもの。イタリアの食文化に根差す遊び心を、モードな造形に落とし込んだ。加えて、イタリアの伝統工芸であるムラーノグラスをヒールに用いたパンプスは、アートピースのような存在感を放つ。装飾を排したブーツも、潔いラインによってフォームの美しさを際立たせた。
【 BAGS 】
「セラピアン(SERAPIAN)」
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「セラピアン」はここ数年、さまざまなコラボレーターを迎え、アイコン“モザイコ”の表現領域を広げてきた。今季は、イタリアのガラスモザイク・タイルメーカー、ビザッツァと協業。きんぱくをガラスで挟み込んだ“テッセラ”と呼ばれるパーツをレザーの土台に編み込み、柔らかなブラックレザーと硬質なゴールドガラスのコントラストで、上品な華やかさを打ち出した。“シークレットバッグ”(画像1枚目)の3サイズに加え、新たにバケットバッグも加わった。
「ブルガリ(BVLGARI)」
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「ブルガリ」を象徴するジュエリー“トゥボガス”を着想源とする新作“トゥボガス スフィア”が登場した。ガス管という工業的なモチーフをジュエリーへと転換した発想を、バッグに応用。トレンドのイースト・ウエスト型をベースに、ガス管を想起させるゴールドのハンドルと球体装飾を配したモデル(画像1枚目)や、ハート形のアクセサリーのようなモデルが登場。鮮やかなカラーパレットもそろえ、都会的なスタイルに向けた提案を広げた。
「フランツィ(FRANZI)」

新作のマキシポーチ“アリダ”(画像)は、イタリア映画界のアイコン、アリダ・ヴァリ(Alida Valli)にささげたモデル。非常に柔らかなカーフスキンを用い、体に自然にフィットするソフトシェイプを実現した。表面には、細かなシボ感が高級感を演出するディアプリントを施した。両サイドは拡張可能にすることで、収納力も高めた。ほかにも、日本市場を意識して開発した“カルラ”からは、より軽量になったミニサイズのハンドバッグタイプが登場した。
「コチネッレ(COCCINELLE)」
日本でのポップアップでは、確実な手応えを得ている「コチネッレ」は、トレンド感あるラインアップを拡充する。新作“コチネッレ リディア”(画像1枚目)は、しっとりとしたスエードレザーが特徴で、ドローコードを絞ることでギャザーを寄せた表情にもアレンジできる。Cロゴは、メタルではなく、エンボスで表現してシックな印象に。さらにガーデニングバッグに着想したマルチポケットシリーズでは、ショルダーバッグからバックパック、ベルトバッグまで幅広くそろえた。
「ヴァレクストラ(VALEXTRA)」
「ヴァレクストラ」は、主力の“イジィデ”の価格上昇が課題となる中、新作2型で裾野の拡大を図る。小型の“イジィデ ティン”(画像1枚目)は40万円を切るエントリーモデルで、ストラップ付きのマルチウエイ仕様。クロスボディー、ハンドル持ち、クラッチと幅広い使い方に対応する。カラーバリエーションも豊富で、クールなブラックはメンズ客にも訴求する。新たに加わったスモールトート“ジオバッグ”は30万円を下回る価格設定だ。